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#150. New Year's Day

明けましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いします。 2023年は振り返るまでもなく、Casimir Pulaskiday.は更に行きずらい店となってしまった。 友人のお子に私のInstagram恐いと言われ、別の友人にも言われた。 自分ではイケてると思うのですが、まあちょっと恐いか。 店とは言い難い状況ですが、だからこそ出会える人がいる、ものがある、ということは絶対にある。 これを信じ切ると痛い目に合うのはわかります。 でもしょうがない、やりたいようにやる方が健全だしな。 ブログももうすぐ凍結する勢いです。 自分の書くものかどうも気持ちよく感じられずこれも本当はつらい、今ギリギリのところ。 そんなもの読まされても困りますな。 なのでもう終わろう。 だがしかし、考えることはやめていません。 あーこんな新年は大丈夫か、たぶん問題ない。 削ぎ落として浮き出るもの、思考、見える世界を求めるのだ。 取捨選択。2024

#149. Trip and afterwards

ザグレブ(クロアチア)、ロンドン、パリの3都市をまわった旅が終わった。 旅日記、久しぶりにあげられるか。 ザグレブへ行った理由はTihanaさんとNikaちゃんに会うため。 Tihana Miksa PercobicとNIKA TOMのデザイナーで2017年に出会い、2人の服をCPD.で取り扱わせてもらった、我ながらよく出会えたと思う2人です。 2017,18の秋に2度訪れたザグレブ、3度目もまた秋。コロナが明けたら2人に会いに行くことは決めていた。 でも今回会えたのはTihanaさん1人でした。 Nikaちゃんは現在、フィルムコスチュームのお仕事をしており、ブランドとしての活動はお休みしている。 猛烈多忙の中せめて晩ご飯に合流できるようにがんばってくれてたのだけど残念ながら叶わなかった。 5年ぶりに会ったTihanaさんはとても幸せになっていました。 ご結婚され(オーストリアのペイントアーティストさんでTihanaさんより随分と歳上の素敵な方)、Tihanaさんも現在はオーストリアとザグレブを行き来しており、今回もなんとか調整しながら会うことができました。 歴史的建物が街全体に残りクロアチアの歴史や文化に濃密に触れられるザグレブ。 2020年の大地震の跡が現在も各所に見られ、補修作業があちこちで続いていました。 2023年1月からEUに加盟し、通貨もクーナからユーロに変わり現在は過渡期のような状況で、どこの店もユーロとクーナ並列して記載していた。 通貨が変わるってどんな感じなんだろう。 経済も変動が大きくあったようで、物価もかなり上がったそうです。 EU加盟でここからどのような変化がこの保守的なお国に起きていくのか、その速度も気になるところだし、何より、ファッションの未来も。 Tihanaさんも言っているが、クロアチアでファッション(モードファッション)をやることは不可能に近い。 それは行ってみると理解できる。まあザグレブしか行ってないですし完全に理解できるほどの経験値はありませんが、少なくともザクレブで自分が感じたものはあった。 そしてこの小さな街でファッションを続けるTihanaさんが言うのだからきっとそうだ。 アートはけっこうおもしろかった。前衛的なアートが見れる場所はいくつかありどれも興味深い。私が見たものは

#148. wan shan ling

Wan shan lingの新しい服について。 今回はバギーパンツ。異なる素材、色とディティールで計3本。 アイルランド出身の建築家兼プロダクトデザイナーEileen Grayをトピックとしたカオティックバギーからwan shan lingの鍵を見つけた、という話です。 アイルランドからイギリス、パリへと拠点を移したEileen Grayは、パートナーから建築を学び、男性優位の建築の分野において戦前に活躍した類稀な女性建築家で、現代にも残る名作を数多く生み出しました。 建築とプロダクトに境を作らず、建築の一部、同等の価値として捉えたEileenのプロダクトは前衛的でモダンであり機能美に富み、彼女のテキスタイルや家具には、建築的”ライン”や軌道、構造を感じさせるものが多くあります。 逆に、家具に見られるデザイン手法を建築設計に採用している例も多い。 Eileen Grayにする、と最初にwanさんからプロジェクトテーマを聞いたとき、あこれは相当良さそうだと心が高鳴った。 個人的にwan shan lingと建築家との相性が良いように感じていて、更にBettina Speckner以来の女性のデザイナーと言うことも拍車をかけてきた。 Eileen Grayの洗練されたオブジェが多層的なwan shan lingの服にどのように取り込まれるのか。 で、やってきたのが意外にも極太バギーパンツでした。 Eileen Grayの家具たちは、他色ステッチ、バックポケットの過剰装飾といったバギーパンツのセオリーを踏んで、丁寧な手仕事で軌道を描きながら配置されております。 ROCAWEARやSOUTHPOLEなどの90~00年代極太バギーに系譜し、サブ視点として1900年代初頭のオランダ北部の伝統衣装であるワークパンツがねじ込まれている、とwanさんは言う。他にも細々とあるらしいが。 今回、wan shan lingがやろうとしていることが少し分かったような気がする。 ずっと違和感があったのですが。wan shan lingの服はものすごく手をかけて高度なことをやっているのですが、感覚的な堅牢さがあまりしない。 いろんなところから少しずつ引っ張ってくるのがwanさんで、そこには一貫性とハーモニーがない、故に説得力というものを(敢えて?)下げて

#147. AMANDA BROWN

この夏もAmanda Brownの新しいプロジェクトから作品を迎えました。嬉しいな。 前回に続きヴィンテージパーツを編み込んだアップサイクルニットです。 とは言えど、格段に進化している。 今回のヴィンテージパーツはTシャツです。夏なので。 一枚のTシャツを前後、左右、上下の各ワンサイドを異質のマテリアルへ変現させて一枚のTシャツに再生する、というコンセプトのもとこのプロジェクトは進みました。 Tシャツはハーフボディ、フリンジ、ネックパーツに分解され、それらをAmandaさんのニットで再連結させています。 一部、コントラストカラーフリンジをデザインとして入れていますが、ベースは一枚のTシャツで成り立っています。 2人でコンセプトを決めてからAmandaさんがどんな風に形にしてくれるのかいつも本当に楽しみで、一般人からの度重なるご要望に都度応え、どう考えてもAmandaさんへの負担が大きすぎて申し訳ない気持ちは常に抱えていますが、やっぱり超えてくる。 今回この連結テクニックがものすごく興味深い。 Tシャツボディに一定の間隔で穴を開けてニット糸を通しているのですが、理屈はわかってもできる気がしない。実際に見てもしない。 それができるセンスとスキルにただただ感動し経験値を想う。 更にこのネック。 Tシャツのネックラインの際でAmandaニットとコネクトして更にラウンドでかけているループがデザインとしてもグッときます。 正直ネックラインを保持してくれるとは思っていませんでした。義理堅い。 ちょっと強引ですごくいい。そして知的だ。 同じマシンニットでもIsaさんのそれとはまったく違う構造で説得力と価値を上げている。 Isaさんは化学的でAmandaさんは論理的。 どちらも好きでどちらも尊い。 言うまでもないですが、すべてがユニークピースとなっており、マテリアル、サイズ、カラーは異なります。 セカンドデリバリーも無事到着して今回は10ピース。 あれ10ないな、まあいいか。 Casimir Pulaskiday.の存在意義だ。 親愛なるAmanda Brownに心からの感謝を。