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#162.京都の後

京都ポップアップへご来店いただいた皆さま本当にありがとうございました。 年々書くことが難しくなってしまって特にエモーショナルになりかねないものを公に綴ることが今の自分には簡単にはできない。ばかじゃないかと思う。何歳なんだ。 それでも書けるとしたら本当に京都でまたお店ができてよかったと思っていて、来ていただいた皆さま全員が寛容で素晴らしい方たちです。まったく何様でもないのですが。 これからもっともっと、Casimir Pukaskiday.を見てほしいと思った。がっかりされることも覚悟の上で。 いや、それは東京も一緒だな。 皆さまいつも本当にありがとうございます。本当につらい、うまく書けなくて。 Amandaさんは次で書きます。

#161. 京都POP UP

京都ポップアップのお知らせです。 6月7日(土) 12:00-19:00 6月8日(日) 11:00-18:00 @ Gallery Green and Garden 〒604-8334 京都府京都市中京区三条猪熊町645-1 これまでお世話になっていたKumagusukuが残念ながらクローズされるとのことで、今回は初めての場所でのオープンです。が、エリアは同じで四条大宮駅と二条城駅どちらからも徒歩10分以内です。寧ろ以前よりアクセスしやすいかもしれません。 25SSで入荷したアイテムを中心に、パストシーズンのアイテムもできるだけお持ちしたいと思います。フレッシュな視点でまたご覧いただきたい。 更に、久しぶりのAmanda Brownの新作が京都までに一部だけ入荷できそうです。 どうしても京都でお披露目したくAmandaさんに無理を言ってお願いしました。 私もまだ完成品を見ていないのですがとっても素敵なスペシャルピースを作ってくれていますので。ありがとうAmandaさん。 そして、wan shan lingも最新作が京都までに仕上がりそうとのことです。こちらも一部。 そう、最近wanさんThreadsをはじめましたね。読みましたか?とてもいいですよね。 またこの作品についてもなにか綴るんじゃないでしょうか。 作品自体もよさそうです。新しいwanさんがそこに有ると思います。こちらも楽しみだ。 Emily Frances Barrett もオーダーしていた分がちょうど今日届きました。やはり素敵だ。欲しい。 東京でお先にリリースしますがたぶん大丈夫。 私は今のCasimir Pulaskiday.が大好きで、本当に素晴らしく魅力的なものがあると思っている。よい軌道を描けていると信じている。 それが誰かの軌道から逸れることもあるけれど、その誰かとも未来の軌道のどこかでまた交わるかもしれないし。 自転と、公転と。 京都。 お近くの方、関西の方、京都に旅をされる方、軌道が合えばぜひお越しくださいませ。 二条城のアンゼルム・キーファー、ソラリス展のついでにぜひ。

#160. De Pino

この春に入荷したDe Pinoのコレクションは昨年24AW Paris Houte couture week内で発表されました。 ブランド初のランウェイ、更にクチュールへの参入とファッションハウスDe Pinoが爆誕したメモラブルなコレクションのピースがCPD.に並んでいることが誇らしい。 以前どこかで書きましたが、De Pinoというブランドの在り方に私はとても関心と敬意をもっております。 今回の舵取りにしてもまったくぶれていないし、屈強なビジョンが実現したことが更なる躍進を後押しするのだと思う。 De Pino素敵だな。きっとGabrielはご自身とブランドがファッションという文化の中いることを心得ているのだろう。知名度や規模は関係ない。 これはあくまでも個人的な仮説なのですが、そう思ってDe Pinoと向き合うといろいろと腑に落ちるのだ。 25SSとしてお迎えしたDe Pinoのコレクションは、Gabrielに大きく影響を与えた3つのコレクションがパブリックに開示されデザインされています。 Balenciaga 06AW, PRADA 09AWそしてMartin Margiela09SS 他ブランド、デザイナーの過去の特定のコレクションを掲げてコレクションを発表するという行為はファッション史上あまり例をみないと思う。オマージュ的なリファレンスとも少し違う。あるのかな、私は知らないのだけど。 明言せずとも我が物顔で発表される方々は多くいらっしゃるが、そこをとやかく言いたいわけではなくて、De Pinoの表現方法が斬新で的確で現代的ではないかということを言いたい。 賛否あると思う。実際に物議を醸したコレクションとなった。でもこの現象はブランドにとって誇るべきことだ。 語弊があると思うが、同じ模倣品でも単なるまやかしか創作物かの違いはそこに別の視点と定義があるかどうかではなかろうか。 今回のDe Pinoの表現には、正に新たな視点が存在しているように思う。 模倣の可能性。 模倣模倣とDe Pinoに失礼なのは承知しているが、まったくネガティブな感情はない。 記憶の曖昧さ、自己変換による欠落や誇張といったDe Pinoのコア的概念を自身の敬愛するコレクションに扮して(公言の上で)再形成させるという試みはしっかりとファッション的でありつ...

#159. Emily Frances Barrett

買付の旅の途中、ロンドン、パリが終わり今ミュンヘンへと列車で移動中。5時間半だって。 直前に済ませた確定申告が圧をかけてくるがそれ抜きでもちゃんとしないといけない。 あまり多くを欲するな。そんなに買えないんだよ。おまえさん。 ロンドンではEmily Frances Barrett に会いに行きました。 2度目の訪問。今回もEmilyさんから大切なものをいただいた。 Emilyさんとの出会いは少し前で、ロンドンの合同ショーにあった小さなショーケースに立ち寄ったのが5年前、2020年のことです。 その時はやはり買えず、いただいたカードも不覚にも失くしてしまったのですが、とにかく素敵だったことを脳みそが覚えていて、定期的に思い出してはその時撮った作品の写真を開いて眺め、あぁあの人は誰だったかな、素敵だったな、また会いたいな。と失くしたカードをまたごそごそと探す、というサイクルを繰り返していた。 そして昨年ふと気づいた。そうか過去の情報を遡ったら出展者リストからあの人を見つけられるのでは!と。遅。 それでその年に訪れたいくつかの展示会のデザイナーリストを探してついにEmily Frances Barrettに辿り着いたわけです。 初めて開いた彼女のInstagramには私の記憶に漂っていたイメージがあって、スタイルやマテリアルはアップデートしていたけれど、やっぱり彼女だと確信。よかったまだつくっていた! コンタクトをとってみたらとても温かい返信をくれ、4年越し(当時)にEmilyさんと彼女の作品に再会することができた。 聞いたらあの時のショーケースが唯一のファッション展示会への出展だったそうでそこで出会えて本当によかったと思う。 Emily Frances Barrett は、Sarabande(Lee Alexander McQueen が設立した若手アーティスト支援レジデンシー)所属アーティストとして活動をスタートさせ、現在もロンドンのSarabande foundationから数ブロック離れたスタジオで製作活動を行っている。 メタル加工を軸に、植物や貝殻、化石などの自然物、タバコの吸い殻プルタブなどの廃材、またテムズ川岸で拾った陶片やガラスなどを組み合わせてジュエリーやオブジェを製作しています。 Mudlarkという職業がイギリスの...

#158. JEWELLERY

昨年は素晴らしいジュエリーを多く迎えられたことを誇らしく思っています。 自分はジュエリーに強く惹かれます。 もしかしたら洋服以上かもしれない。 海外に行く時はその都市にあるジュエリーのギャラリーを必ず訪れるようにしている。 金銭的に毎回は難しいが、アートジュエリーをゆっくりゆっくり集めている。 いつか何かができたらいいな、という夢もある。 Casimir Pulaskiday. をスタートしてもうすぐ丸8年経つが、当然変化はありそのひとつがジュエリーの重要度かなと思う。 見るだけだった存在から取り扱う存在へと、出会いの中で少しずつリアリティが湧いてきた。 できるかわからないけどやってみたい。 ジュエリーとひとことで言っても、ファッション的ないわゆるコスチュームジュエリーと呼ばれるものもあれば、高価な宝石や貴金属で作られたハイジュエリーやファインジュエリー、コンテンポラリージュエリーは現代アートやコンセプチャルな要素も含む。すべてに明確な線引きはなく呼称も様々、価格もハイジュエリークラスのコンテンポラリージュエリーも多くある。 他にもアンティークジュエリーや民族系ジュエリーなどもあるし、一括りにはできず本当に多岐にわたるわけですが、どれも好きだ。 見ること、身に付けること、所持すること。 どれをとっても自分には不可欠で自分を構成する上で非常に大切な存在です。 それはジュエリーのもつ単位だということに気づいた。 コンセプト、マテリアル、職人術、テクノロジー、オブジェとしてのアート性を人が身に付ける装飾品という枠でみることに高揚するんだと思う。とするとやりファッションの地続きでもあるということが大きいのかもしれない。 ファッションという流れの早い文化の中で触れる芸術的で硬派な存在。 ジュエリーには様々な定義があるが、ある定義において全てのパーツ、留め具なども含めてオリジナルであるということをギャラリーの方に聞いた。 ※作品上で使用する例えば写真だったり自然物はコンテンポラリージュエリーでよくみられこれらのマテリアルは問題ない ファッション上ではアクセサリーも総称でジュエリーと呼ぶことが多いが、ギャラリーなどに置かれる作品は徹底している。 また取り扱う側の規制もあり、ミラノではジュエリー保管庫としての規準を満たした環境がなければを取り...

#157. Ending '24

2024年のCasimir Pulaskiday.のオープンは今日30日で終わりです。 一年間本当にありがとうございました。 ここに来てくれる皆さまのおかげでCasimir Pulaskiday.はギリギリ店になれています。 寛容さとイマジネーションだといつも思う。 CPD.のお客さまが共通してもつ才能に私は完全に甘えている。 ファッションにおける仮装性と仮想性は多様化して更に重要になっていて、寛容さとイマジネーションを無くしてはそれに対応するのは難しいと思う。 非現実性の一面だけではないし、もっと広義で本質的に。 来年もCasimir Pulaskiday.の解釈でそれを表現していきたいと思います。 2025年は1月4日(土)からオープンです。 なにかやろうかな、誰か来たら。 皆さまよい年末年始をお過ごしください。

#156. Linda Kokkonen

先月の旅の途中、Linda Kokkonenに会いにフィンランド、ヘルシンキに立ち寄りました。 Linda Kokkonenを知ったのは2年くらい前で、彼女の卒業コレクション(ショー自体は2019年)を見たとき。 2年かけてLinda Kokkonenに少し近づけてきたのかもしれない。 なぜ今なのかはわかるようでわからないけど、でも絶対に今だと思う。流れはあるし間違ってない。 と思ってLinda Kokkonenにコンタクトをとった。 するとこの9月に初めてロンドンでプレゼンテーションを行うとのこと、私はその翌週がロンドンの予定で残念ながらショーを観ることは叶わなかったが、へルシンキで運よく会うことができた。本当によかった。 Linda Kokkonenは、ゴシックロマンティックなブラック系に傾倒するかと思う。 もう一つ、ブランドのコアとなるビジョンがサステイナブルだ。 徹底的にアップサイクルを実践していて、使用するマテリアルのすべてがヴィンテージピース、デッドストックファブリックからの調達はもちろんのこと、基本がオーダーメイド、また顧客ごとの既存品へのカスタマイズ、リペア、レンタルサービスといったことも積極的に取り組んでいる。 こんなにも確固とした持続可能性へのビジョンと責任を持って、所謂アップサイクルブランドではなく、ハイエンド、ラグジュアリーブランドとして新しいビジネスモデルの確立を目指していると知り、私は本当に素晴らしいと思った。 若手でも無名でもどんな位置にあっても、ファッションの歴史、さらに先端を見据えて活動する人が私はとても好きというか心から尊敬しています。 De Pinoもwan shan lingも、そしてLinda Kokkonenもそうだ。 これは単にアーカイブデザインを参考にしたりパクったりすることとは全然違う。 自分自身がファッション史の一部として、そこに貢献すること、波風を吹かすこと、そういうビジョンを持っているということです。 挙げた3ブランドはそれぞれ別のやり方をとって動いている。ちょっと長くなってしまう内容なので今はやめておくけど、自分にはとても大切な感覚です。 Linda Kokkonenは、デザイナーのLindaとパートナーのLauraのデュオです。 Lauraはトラックメーカー、DJであり、...