Lili Barglowskaはポーランドで生まれアメリカで育ち、現在はロンドンとワルシャワの2拠点で活動するジュエリーアーティストです。 2025年にCSM BA Jewellery Desinを卒業し、彼女のアイデンティティに刻まれた文化的、歴史的記憶の探求、考察を映すジュエリー制作を行なっています。 ずっと見てしまう。いつまでだって見ていられる。 ときの流れを忘れさせる美しさに秘められた忘れてはいけないときのこと。 War Memory I, II, III 2025 ラムの角、馬の毛、フリント、銅、鉄 この3つのブローチはLiliさんのひいお祖父様の軍功勲章が起源となる3連作品です。 ポーランドという戦争の記憶を深く刻まれた国に生まれたLiliさんとご家族にとって大きな意味を持ち大切に受け継がれてきたメダルは、歴史の記憶を持つマテリアルによって彼女自信の表現であるジュエリーという形と言葉で継承されました。 戦争は過去として終わることはない。 そして現在はその過去からそれほど離れてはいない。 世界中で恐ろしい出来事が絶えず起こる現代において、戦争(WW2)を実際に体験したお祖父様から語られた歴史を忘れないことは、過去を認めて現在に共感し、未来に希望を持つための方法だと彼女は話してくれた。 Liliさんの記憶、マテリアルが持つ記憶、形の記憶。 独立した個々の記憶を繋ぐこのWar Memory I, II, IIIの制作がLiliさんの未来への継承だとしたら、それらを所持して身につけることが"忘れないこと"へのレスポンスとなるしょう。 風に飛ばされそうなほどの軽さが返ってぐっとくる。 Hauntology Pearls II 2025 ラムの角、銅 -Hauntology- ジャッ ク・デリダが『マルクスの亡霊たち』で提唱した、過去の社会的或いは文化的な要素が現在に回帰、持続し亡霊のように彷徨い続けるという概念。 ここからインスピレーションを得て同じく2025年に制作された作品で、Liliさん自身のポーランドとアメリカという2つの文化的背景と政治的感情の表現への取り組みです。 観察プロセスから導いた、保守的価値観の象徴としてのパールネックレスという着想からLiliさん...