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Showing posts from December, 2022

#141. xxx

明日、12月30日が2022年最後のオープンです。 2023年は1月3日からです。1月は通常オープンデイとアポイントメントデイがございますのでInstagramでご確認ください。 今年も終わるしちょっと書いてみる。 2022年は自分にとって、店にとってセンセーショナルな年だったと思う。 振り返ってみても現在進行形なので感慨深いとは言い難いが、いつかそのような感情が芽生えるといいです。 私は自分の理想に手ぶらでひとっ飛びしてしまうのがよくない。 理想を持つことはいいと思う。ただそこまでの過程をすっ飛ばしてしまう。 まず武器を手に入れて、戦略をもって、段階を経るという一番大事なことを。 それでも今年行ったことは自分にとってとても意味があった。やってみたかったことができたことでわかったことが多くあった。 正直に言って、現時点では自分には実力が伴っていない。 間違ってはいないと思う、それは断言できる。ただ今はまだ武器が足りなさすぎた。 そしてタイミングもベストではなかったかもしれない。 23SSでは風通しが少し良くなる予定です。取り扱いブランドも入れ替わり、私はこの23SSをCasimir Pulaskiday.のリスタートにしたいと思っている。 まだまだ理想までは時間がかかりそうだが、今は受け入れ舵を切り直すべきなんだと、コンシャスに書いていますが決して理性的な人間ではないので苦労している。 自分には足繁く通われる店をつくることはできないと思う。そこまでの求心力とビジネスセンスがない。 自分がつくれる店は、どこかの誰かが時々(と言っても数年単位で)思い出してよくわからないけどふらっと足が向く場所、なんだと思う。 まあそれって普通なのですが、よくわからなくても行けば何か強いものがある、というところがいい。 その場合の「情報のあり方」においても、やはり今のスタイルは間違っていない。非公開のスタート地点でのイメージとは少しずれてくるけど、結果筋が通っていれば問題ない。 でもその前にまだやらなければいけないことがあった。 そしてそれを目指すのに一番欠かせないことはこの一年で痛感した。 これはファッションサイクルを逸脱した強いモードを少しずつまた集めていけたらいつかできる。 簡単ではないしやはりまだ時間はかかるけど続けられたら未来はある

#140. wan shan ling

wan shan lingの服をはじめてお迎えしたのはいつだったかと遡ってみたら2018年でした。 wan shan lingはビーズワークがひとつのオリジンとしてあります。 当時、wanさんのビーズはセンセーショナルであったし、実際のアイテム数は決して多くはないけれどそれでも残像は色濃く今も想起することが多い。 Casimir Pulaskiday.では過去に3型ですが、Godardでの作品も素晴らしかった。 それ以降wanさんはビーズから距離を置いていましたが、すみません、またwanさんのビーズを見たいです、と心を込めてリクエストをしてみたところ、即答で断られました。本当に辛かったと。 それは申し訳ないことをしたと思いますが、でもああいう作品は本当に貴重だと思うし、wan shan lingの作品群の中でビーズワークはどんなに時間が空いたとしても定点的に見たいと思うわけです。むしろ空いた方がやる意味があるかもしれない。 一蹴の後、覚悟を決めて挑まれた今回の2点は、明らかに過去から進化しているし、ビーズのもつ意味というかビーズとの関係性が変容しています。 それはwan shan llingというブランドの進化以外の何ものでもなく確実にアップデートされ、自分にはビーズに対する解釈がよりフラットに感じる。 もはやビーズである必要はないのかもしれない。 こんなこと言ったら本気でキレられそうですが、それほどに服自体が素晴らしいということです。 生地、ディティール、パターンがフロントに一切負けない強い意志と説得力を持ちます。 これは実際に見て、着てみて解る部分です。 補足として、今回の2つはホスピタルシャツがベースとなっています。 フロントの手と臓物が飛び出た女の子は、ビーズに加え、ステンシルプリントとブレード刺繍によって描かれています。 もちろん全てが手作業、各一点ものです。 残酷な世界の中でポジティブなイマジネーションをもって勇敢に、解放の未来へと突き進むヴィヴィアンガールズのように、ネガアイコンを纏った身体の中で健全な魂を燃やしてくれということか。わからないけどどうでもいいか。 途方もない時間と手数と熱量が瞬時に伝わってきます。 やり切った服、本気で感動しました。