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Showing posts from May, 2019

#48. Tihanaの帽子

  2017年の年末、もう1年半前か、クロアチア・ザグレブの Tihana Mikša Perkovićの3着のドレスがこの店にやってきたのは。 改めて写真を眺めながら、いろんな意味ですごいな。とてもとても考えて結果、私はTihanaから3着買ったんだ。 NikaTomに会いに初めてザグレブを訪れたとき、Nikaが紹介してくれたNikaより倍ほどお姉さんのお友達Tihana   (左Tihana、右Nika) Tihanaはとても知的で優しくてクレバーな女性です。深海のような、静かで荒々しく、そして哲学的で現象をいつもロジカルに見つめてる。 Tihanaはファッションデザイナーとは違う。これだと言える技術が私にはないけど、表現者であることは間違いない。 そして点で見てももちろんすごいんだけど、Tihanaは線で見たらもっとそのすごさに気づく。 テキスタイルというベースを軸に、様々なエキジビジョンやアソシエーションに参加し、オペラや舞台芸術、イラストレーター、パペットデザイナー、デザインアートの教育にも注力してきた。 自身のクリエーションにしたって、バウハウスの芸術家Oscar Schlemmerの造形と精神と体の関係をコスチュームに落とし込んだり、クロアチアの伝統や文化技術をモダンでパンクな彼女自身の解釈で表現したりしている。 彼女は常にフィロソフィーをもって、リサーチし、社会貢献を担って表現している。 こういう活動家としての一面を持つ彼女の表現は、やっぱりファッションとして片付けられないものがある。 クロアチアでファッション(コンテンポラリーな)を続けることは日本とは比べ物にならないくらいハードだと思う。TihanaもNikaも、口を揃えて言っていった。 コマーシャルでコンサバなものは別として、モードファッション文化、土壌がまるでない。ザグレブの街を歩いてもそれはよくわかる。 それでもファッションを、世界的に見てもアヴァンギャルドなクリエーションを続けているTihanaやNIkaはもう強すぎるし本当感動する。 だって2人とも、お互い以外にはいないって言ってた。日本じゃありえない。 書けばキリがないので、この辺でやめます。 Tihanaの新しいコレクションは帽子 “Mad as a Hatter" ザグレ

#47. +MODE

  今シーズンお初。念願きた。ここに到るまでは長かった。ことだけお伝えしたい。 A.W.A.K.E. MODE はロンドンベースのロシア人デザイナーNatalieが手がけるブランド。知ってる方は多いかと思いますが。 ~All Wonderful Adventures Kindle Enthusiasm Mode.~ A.W.A.K.E.の大大大好きなことろはなんと言ってもプリント。初期のコッコちゃんや不良リス、浮世絵にタコなど、剔り強めなサブカル寄りのプリントまでも完璧にエレガントに、女性的に仕上げるそのパターンだったり生地だったり、このブランドにしかないキワキワのバランスが本当に好きだ。 ジャパニーズカルチャー好きがごっそりと投影された初期〜のコレクションから、ここ数シーズンはエレガント要素が強くなっている印象。もともとエレガントなんだけど、比率が変わってきたような。 名前も変わったしな、なんか変わったんだろう。でもいいんだ、今回もかわいいから。 こちらのシャツとパンツは、別注で赤で作ってもらった。今シーズンはライトブルーやレモンイエローなどペールトーンのカラーパレットでしたが、赤着たいな、と。 エレガント寄りなムードをぐいっとこちらに寄せるべく。 このビッグロングカラーのスリムフィットシャツはA.W.A.K.E.の定番。最近のはカフスがカットされていますがもともとはこれまたでかいカフスが。 これまでは袖にボリュームをもってくるスタイルが“ぽさ”でしたが、単純に「カットオフ」という表現に逆に奥深さを感じてしまう。 シルエットが本当に綺麗。着ると背筋が伸びる。タイトフィットなボディと袖にダイナミックなオーバーサイズな襟元、麗しのヒッピースタイル。 こちらも70's感たっぷりなフレアパンツはスリットがアシンメトリーに入っており、サイドスリットの右足がやや深めです。 赤パンて最強だと思っている。赤パンでやりたいこと軽く10は浮かぶ。しかもこのベルボトムラインで+10だね。ロングドレスとかコートの裾からこのフレッシュな赤がひらひらりと絡まりながら…。 そのロングコートも。 和を匂わす羽織りロングコート。A.W.A.K.E.=キモノというくらい、私はA.W.A.K.E.の「和」の解釈がとても好きです。A.W.A.K.E.

#46. VIKTOR&ROLF

  どういうことかと言いますと、 簡単に言うと、VIKTOR&ROLFは最高のメゾンだということ。 プレタポルテをクローズして3年、現在もオートクチュール一本でファッションに夢と希望を与え続けるこのビッグネームが、なぜ、ここに。 ですよね。自分自身も半信半疑なところがありますが、多分事実で。 アーカイブではございません。彼らはひっそりと(?)はじめていた。そしてそれをここでお披露目できる自分は、大袈裟ではなく、もっている。 チュールをメインとしたこちらのコレクションは、先シーズン18AWより彼らがスタートさせた新しいライン、VIKTOR&ROLF TULLE V&Rの代表的なポップアイコンを“チュール”というブランドに親密な素材に枠づけて、こちら側へと再びやってきた。 ある意味でコマーシャルラインではあるものの、特段セールスやマーケットを広げる意図があるのか疑問ですが。 ミラノで意気消沈の頃、偶然にもV&Rのセールスに会ってパリのショールームに来ていいよって言われたから行ってみた。 しかしさすがにこんなビッグメゾンに手を付けるハートの強さはないし、でも興奮は上がる一方で、そしたら君の店おもしろいからやっていいよって、えーーー!? 決まった、この春。ついに私は夢を叶えるのだ。ホントに来るのか、お金払った後もなお半信半疑でしたが、来た。わーい。 ディフュージョンラインとは言えVIKTOR&ROLF、ちゃんとタグにも書いてあるもんね。ほら。 そしてやはりこの服たちから醸しだされるオーラは王者の品格だ。細部にまで気品とブランドたる誇りがある。 引っ張られるというか、さあさあこちらへいらっしゃいと、手招きされます。そしてはらはらと行ってしまう。そんな感じ。 08AWの"NO"や、17Coutureのビッグフェイスコスチュームなど、VIKTOR&ROLFのイメージソースにこの度のコレクションで再開できる。更にはオートクチュールのファブリックを使ったユニークピースのスカートも。 ボタンやリボンなど、パーツひとつ取ってもVIKTOR&ROLFの文字。 ミーハー心擽ぐる。ベタと言えばそれまでですが、だって着られるんて思ってなかったんだもの。そしてとってもかわい