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Showing posts from October, 2018

#27. 見えてくる

最終章   は、コート。Leoです。 1章2章でお耳におタコかもしれませんが、こちらで一番の輝きを魅せます金属パーツ。 スウェットよりボリュームUPのこのフックは、重厚なコートに見合うヘビーウェイトです。 ディティールは全て直線。肉厚故にわずかな歪みも目につくステッチに乱れは一切なし。美しい。 このポケットはイカしてますね。ブロックを重ね合わせたパッチポケット。中どうなってんの?まさか?ってお思いでしょう。 では見てみましょう。 アン ドゥ トワ 浅い。そのまんまでした。 でも下は深いから。許します。 大振りなピークトラペルがこのストイックなムードに華をさしてます。 ねえ見て見て〜と言いたい、後ろ。前には見せない”抜け”が後ろにありまして。 太い長い高い、なベルト。両サイドを一枚接ぐことで中途半端な位置から始まり位置へと終わる。 センターベンツ。これも違和感感じませんか? 重なってない。ベンツというかスリット?スリットーベンツ仕立てー この背後はとても良いと思う。一見気づかんのだけど気づくと違和感がすごい。ファインウールの質感がこのウィットに拍車をかけてる。 洒落てるな。 Leoのこういうところが好き。本人たちも言ってた。本当はこっちなんだけど、やっぱり“ニーズ”には応えなければいけないんだと。マーケットでの需要はもちろんデザイナーやブランドにとっては避けられないから。でも彼らのメインにだってちゃんと宿っている。一個一個向き合うと、どんなおチャラなアイテムにもちゃんと知性があって、残念ながら私は店でやれないんだけど。どこかでLeoの服を見かけた際は、ちゃんと見てください。着てください。すると見えてくるものがありますよ。 Fin. 詳細はお気軽にお問い合わせください。 info@casimir-pulaskiday.com/DM to Instagram

#0

  ここにある服たちは最高にかっこいいんだ。 着たらハッピーになれる服しかここにはないんだ。 着ないでなにがわかるんだ。

#26. ユニセックスが嫌いだ

Leo   その最たる1着(#25談)、でしたが、2着でお願いします。もう1着追加。 まずは、こちらのダブルジップニット。 コットンベースの地厚リブニット、よい色です。黄色黒のメランジェのこの生地は、カジュアルにもとれるし、ウールのような上品さも備えていらっしゃる。 フロントの横断ジップスはもちろんお好きに遊んでくださいということです。 2本全開でぶるんぶるんしたり。縦リブにバイアスでジップをつけることでジップのさじ加減によって予期せぬうねりやシルエットの強弱が生まれて、着るたびに発見があるだろう。ボトムとの構成もさじ加減次第で無限です。 そしてこの服の”最たる1着”の所以は裾フリル。どうやっても隠せない、Leoのフェミニズムがここですね。これがあるからメンズが着たらいいんじゃないかな、と思うのです。 この裁ち端処理からのフリルは割と見るのですが、全面にもってくるものが多くてそれだとフリル強いですね。これはバランスいいと思うのはジップと絡めていること。どっちがなくてももの足りず。全体的に流れのある服なので、ボトムにも流れを作って着たいです。フレアだったり、裾からのレイヤードだったり、ハーモニーのあるスタイル、どうでしょう。 もう一着詰め込みます。パフジャケット。 細部にテクニックが散りばめられたこのキルトジャケットは、これまた女性的。 中にスナップボタンがございまして、丈がアジャスト式に調整ができるんです。短ジャケは個人的好みなため、このショートver.がおすすめ。 パフを”折り返す”ことで更にボリューム増した裾の表情がユーモラスです。その直上のベルトをぎゅっと締めるとぺプラム出現。変なバランスですよ、キルトジャケットにヘビにぺプラムて。トンチンカンな3拍子。 これにハイウエストなデニムのベルボトムとかいい。 裾を戻すとクラッシックボディ。これでウエスト絞るのも良いです。意外にもクラッシック。 この異彩放つヘビちゃんは取り外し可。全部外すと印象だいぶ変わります。ベルトの横線とシャープなバックルのみが際立ちますね。テック感UP でも、ヘビいいですよ。ヘビないとね、あんまり意味ない。ヘビ推しです。 私はユニセックスが嫌いだ。ファッションと性は共鳴すると思ってる。 ここにあるLeoは一見ユニセックスなんですが、ち

#25. Leo

Leo   ベルギー、ブリュッセル拠点に、LeoとJoëlle、そしてLeoのパートナーMatthiasによるレーベル。 店のスタートと彼らのスタートが重なり、彼らのファーストコレクションを我が店のファーストシーズンに展開させてもらってからの、今期が4シーズン目。 ビジュアル含め、エッジ効いた好戦的で、ハイでストリートエレガントな女性像を想像させる彼らの服に、正直に申して、どストレートにはハマらないのだけど、彼らのマスキュリンでカジュアルであったり、または重めのファブリックアイテムはとても魅力的です、自分には。 このスウェットは、彼らの得意とする、金属使いが光っている。 毎シーズン、アクセサリーとして服を捉えるところがあって、というか、服にアクセサリーを身につけさせるような。 そのフェミニンな意味合いではなくて、ツールとしての金属パーツを使用したこちら側が私は好きです。 生地は薄手の裏起毛、ソフトで3シーズンは着られそう。そこにこのフックを。スウェットパーカーではお決まりのジップの代わりに。 デザインはもちろん、その細工も見事で、フックの内側にまた小フック。ちゃんとしてる。これあるかないかで着心地は大きく違う。 また、太スリングとそれに合わせたハトメのサイジングにもデザインを感じます。 セットアップでパンツもあります。 パンツには裾の絞りにこのフックが。外しても◎です。分断された状態のフックもおもしろい。 ベルトは2本、下が超長です。さらにくるっと巻いても、垂らしても、うねうね垂らしても良い。 はては一本使いも可。個人的にはハイウエストに履いて長い方を下に一本。ギラつきの強弱は気分に応じて調整ください。このバングルがね、強い、いい意味で。 これはセットアップがかっこいいと思う。 単品ずつももちろん良いですが、セットで着たときのクール度満足度は高いです。 単品だとやっぱりLeoのセオリーに沿ってフェミニンなものとの相性が良さそう。 キレのあるドレスやサテン素材とか、エレガントであればあるほどこのフックが生きそうですね。 メンズにも。ここにあるLeoは男性に着てほしかったりする。極めてメンズライクなんですが、結果、レディスに収まる。それが男性が着たときの微細な違和感につながるかもしれなくてそれが見たい。

#24. Gabriele Skucas

Gabriele Skucas   今私の目の前にある彼女のニットは、とても静かだ。 でも何か途轍もない情動とエネルギーを放っている。 2017年のCSM卒業コレクションにて発表された彼女の服を実際に見たのは、前々回のNYにて。 PARSONSやCSMの学生の作品を集めたエキシビジョンがあって訪れた。 彼女のことは卒コレを見たときに知ってとても気になっていたのだけど・・・ そんでそのNYのエキシビションで、学生たちのデコラティブだったりコンテンポラリーだったりアヴァンギャルドな服の中にこの静かなユニフォームを見つけたとき、ダダーっと記憶が蘇って。 何よりも強くてセンセーショナルでした。 彼女にようやくコンタクトしたのが今年の秋。 ちょっと気軽に連絡できる気配じゃなかった、びびってたね。 そして私のオーバーコンサーンを彼女は瞬く間に消し去った。 Gabrieleは丁寧に丁寧に生きている。 CSMを卒業して今彼女はアメリカ、カリフォルニアにいる。そこで丁寧に、新たなムードでスタートしている彼女のnew works. 実は最初、ニットを作ってほしいとお願いしたとき、卒業コレクションはもう作れないと断られた。 でもまた熱苦しい想いを伝え、会話を重ねて、彼女はもう一回編んでみると言ってくれました。 もちろん単純にこのユニフォームに惚れぼれしている。カトリックスクールの女学生の制服、多感で不安定な情動を含めた静寂の服。 だけどどうしてもやりたかったのは、彼女のストーリーを描くことというか。 私は現在のコレクションも大好きです。 この包み隠さぬファンシーなニットピースは、前に書いた、単純にかわいいものをかわいいものとして身につけるという自分の夢のそれだと思う。 そしてこれを作った人が次にこれを作る、彼女にしかないこのストーリーはとても奥深く興味深い。 私は過去の作品を見ているから今の作品に意味や価値を感じてて、 それを来てくれる方にも感じてほしいなと。だからどうしても2つを並べたかったのです。 このファンシーでフレンドリーな裏側には、シリアスでフラジャイルな人格がある。 そう思うと、もはやこのチューリップちゃんもかわいくない。いやめちゃかわいいけど。そしてどうしようもなく着たくなる。 服について

#23. LINDER

WOMEN'S   ブログご無沙汰です。 19SSのオーダーもほぼ終わり、またちゃんとブログを書き書きしたいと思います。 #22.でも言ってますが、来シーズンはCasimir Pulaskiday. の転換期です。自分というものをこってり投影した。 お楽しみに、と言う自分が一番楽しみだ。たぶんとても良いと思う。 雑音は少しづつ消えていく。 ネジをネジネジ今へ戻して。今期お初の-LINDER-について。 メンズでは知っている方も少なくないかもしれません。SS18からMen'sとWomen'sを独立させたコレクションを発表し、今期が2シーズン目。 引用:Vogue Runway 強すぎる。そして美しすぎるのです。 ここ最近、Men’sはフォーキーボヘミアンなムードへとシフトしていますが、Women’sは変わらずキレてます。 と言ってもそれは今シーズンまで。来シーズンはWomen’sにまでもフォーキーの波が。。。 この大波に抗いもがくFW18の勇姿をご覧いただきたい。 今シーズンは前回のささくれ立った好戦派イッちゃってるのをGODとLOVEで包容した、詩的で情緒的なコレクションです。美しかった。 実は今回、オーダーしたコレクションピースがことごとくキャンセルという。事情はあれど、これにはショックでした。本当はフルコレクションでここに置きたかった。それくらい自分には最高のコレクションでした。 その中で生き残った強者たちです。 全部好きなのですが、コートはここで語るには偉大すぎるので店で見てください。 今日はデニムジャケットをご紹介。 今回のコンセプトとして、男のために服を着ない女性というのがあり、全体的に媚のないマスキュリンな構成。ラグジュアリーとカジュアルの関係性がとても奥深いなという印象。 このジャケットもまた粗雑な強さとエレガントな女性観が共存してます。 ちょきちょき切られた胸。がっぽりと大胆に。これが核となってジャケット全体のバランスを取っています。 上切っちゃってるから下きれいにしようぜって感じで、下半分は身体にタイトにフィット。全部とめるとコルセットのような。 その分袖にはボリュームを。 ワイドにロングに取られた袖は、肘のあたりでクッと縮められシルエットに旨味が加わります。