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Showing posts from September, 2018

#21. MILANO

久々です   ミラノ。前回の苦い思い出から2年か。到着して早々に貴重品と言って思い浮かぶすべてをパクられて、もういろいろミラクルが起こって結果お金以外戻ってきたという。このミラクルに携わってくださった方々には一生頭が上がらない。 今回は今のところ大丈夫。気を抜くつもりはないが、イタリアンおいしいな。食ってばっかだ。 ミラノではおっきい展示会とコレクティブショールームを回っている。 コンサバ、ラグジュアリー、アルチザンの3角形。そんな印象です。 その合間を行く、イタリアのニュアンスを含む繊細なデザイナーを見つけたい。と思っているけどなかなか簡単ではないな。食ってばっかだからか。 イタリアに来て感じるのはイタリアの服を諦めたくないという変な執着心。 自分の方向だと諦めても成り立つんだろうけどなんか悔しい。イタリアの艶みたいな、色みたいな、あと良い意味での古典、その辺がほしい。 こいつやばいなってやついた。 やばいなこれは。ちょっと危うすぎて逆にオーラあったな。妙に気になる。やるのか?大丈夫か? ちょっとおもしろいから載せてみました。 大丈夫、ちゃんと探しています。素敵な出会いもありました。これは載せないけど。ミラノに期待していたことのひとつ。 やっぱり歩くといいことあるんだ。こういうやり方しか自分にはないかもしれない。 もうね、私みたいなちんちくりんがでっかいショールームとか行っても、対応はどうせ買わねえだろって感じですよ。ま、買わないけど。変えないし。 でもやっぱりまだそういうマーケットは、日本にはなくても海外には実際にある。 そういう洋服の文化の中のそういう人(バイヤー)はそういうところでそういうものを買う。 全く否定していなくて、むしろ自分みたいな方が完全にマイナーで、同じ服だけど全く別物だしファッションと一括りにするには無理があるようにも見える。 でもその一見無理があるように見える2つを、これまた自分みたいなやつが重ねられたらめちゃめちゃかっこいいじゃないかと思っている。 手法はわからない。でもできると思う。諦めなければ。 だからミラノにいる。 深夜だからか、またあつくるしいことを書いている。深夜なのですみませんね。 明日は、FEDERICO CINAを見に行く。ショーをやるらしい。あともうひとつ、また別

#20. ELLISS

はやくも   ロンドンが終わる。 今は空港で、次の目的地、ミラノへの飛行機待ち。 旅前半なのに疲労がえらいことになってる。歩きすぎだ。アホみたいに歩きすぎて足はおまめさんだらけで困っている。 でも歩くぞ。いいことあるから。犬も歩けば棒に当たるのだ。 ? ロンドン最終日、ELLISSに会いに行った。 まず残念なお知らせ。首を長くして待っていた18AWのELLISSのオーダーが全てスキップになってしまった。涙。 いろいろな事情というものがあります。私がダダをこねたところでどうしようもないこと。(実際こねた。) でもEllissちゃんは前を見ていた。RTWのストリームから少し離れて、Elliss自身のベースメントに集中したカプセルコレクションをスタートさせる。 ということで、ショールームでは見られない彼女のコレクションを見に彼女のアトリエを訪れた。 アトリエはファッションのカンパニーやシェアアトリエなどが入ってるビルの最上階。下にはELLISSのプロダクションのファクトリーがある。 ELLISSのピースたちが生まれる現場にエキサイト。プリントのパーツやアンダーウェアのパターン(彼女はアナログ、パターンは紙のボードちょーかわいい) とてもいい空気が通ってた。説明しづらいけど、ここで生まれる服はいい空気が宿ると思った。 ELLISSの新しいカプセルコレクションはプリントにフォーカスしたラインナップ。 これまで私の心をひょいとかっさらってきた彼女のプリントワーク。今回はこれまでのインターナルでミステリアスなムードはなく、ポップでビビット、カルチャー要素溢れるコラージュ。スピード感がこれまでと違いますね。 生地もこれまでのものより厚みがあってTシャツに近い、というかTシャツです。ついに、お外で一枚が可能に。 これまでのアンダーウェアを一枚で着てくれていたクールな方には逆に物足りないかもしれません。でもそんな方にはプリントのニューウェーブを味わて欲しいです。 もう何パターンか増やす予定だそう。レモン、かわいかった。 この新しいコレクションは12月にやってきますよ。お楽しみに。 手ぶらで帰るのもナンなんで、アーカイブからちょこっといただいてきました。 新しい彼女のスタンスはとても彼女らしくて素敵だ。これからもこのペースをしば

#19. Lana Siberie

今朝、   マルケスアルメイダに会った。 朝家出て歩いてたら見たことある風貌の2人が小道を向かいから歩いてきて、ん?あーー!! 前も偶然パリのmerciの前で会ったことがあって、おかしくて3人で笑った。 変わらない、2人とも。こんなにビッグになる前に、小さなショールームで2人から服を買ってた時から何一つ変わらん。 マルタは白スウェット、パウロはグレー、下は2人ともジーパン。いいな。 今回はショーロンドンじゃなくはパリみたいだ。 ショー直前の彼らはおだやかで笑いながら、早朝の澄んだ空気の中、スタジオへと向かってった。 Good Luck. さて、Lana Siberieを見てきたので書く。 今回は前回と同じアーティストのシェアアトリエのビル、今月頭に上の階から下の階へお引っ越ししたばかりということで、アトリエはぐちゃぐちゃ。ま、いつものことですがね。前より広くなったというがあまりよくわからん。 ここ最近は、なんと女優業なんぞを始めたLulia。とてもお忙しいようだ。そんな中、ニューピースを作ったと連絡をくれたので私はワクワクしながら参りました。 それは、ハンドメイドシルクで作られた軽やかで極めてシンプルなガーメンツ。 結果から言うと、今回はパス。そのムードは気分ではあったけど、向き合った結果、今回ではなかった。 でもなにも悪いことではなくて。それが私にとってLana Siberieをやる意味だから。 彼女の服はなにも変わらない。変わるのは自分で、その時その時で見え方やその服の意味、関係性が変わる。ある意味、自分を見にきている、知りにきていると言えるかもしれない。 今回は、前回パスした子を拾った。おなじみハンドウェーブのヴィンテージリネンを贅沢に使ったコートドレス。 前にも見ているのになんて新鮮で興奮するんだろうか。この生地の魅力を一番味わえる服だと思う。 この生地は、こないだのヴィンテージおばちゃんとこで見せてもらった中にもいくつかあった。20年代に多く作られた生地らしい。 でも、この時代の人は身体が小さいからヴィンテージではまず小さい服しか見つからない。 それをこれだけの分量で、重量感とニュアンスで表現された服は、が、Lana Siberie です。 着るともうめちゃかっこいい。申し訳ないがそれしか言えない。

#18. 2着

ロンドン   寒くて困っています。服失敗した。現地調達にはファストファッションありがたい。TOP SHOPは良しとしています。アメアパがNo.1でしたがもうないから暫定1位はTOP SHOPです。 そんな感じで、 毎週木曜日、ロンドンのとあるマーケットで服を売っている20-30年代以前のヨーロピアンヴィンテージコレクターのおばちゃん。もちろん今回も行く気満々だったのですが、不覚にも木曜日が移動日で行けない事実。がびーん。 肩を落としメールしたところ、あらストックを見に来る?だって、もちろん行きますとも!ということで、行ってきました。 指定された住所へ行くと、ん、倉庫? でっかい倉庫の前にいました、おばちゃん。Good morning. 重厚なエレベーターに乗りたどり着いた。銀メタルの壁に囲まれた薄暗い廊下にザクっと整列したラックにギュンギュンに詰め込まれた20-30年代のヴィンテージクロージングス。 興奮。 好きに見てと椅子に座りスマホをいじるおばちゃん。その横でギュンギュンを押しのけながら服を弄る私。※おばちゃんはいい人です。 スマホ見ながらも私が引っ張り出す服に的確なインフォをくださるおばちゃんは理想の販売員だ。 素晴らしかった。でも選べなかった。 私はヴィンテージのプロではないし、自分の店はヴィンテージショップではない。自分がヴィンテージをやる意味、これは心得ているつもりです。その心得にどう角度をつけて見てもフィットせず。 ”ごめん、ない” と、せっかく早朝から倉庫来ていい服を見せてくれたおばちゃんに大層失礼な言葉を放る。すると、”もう一箇所あるよ” と驚きの言葉が返ってきた。えーまだあるんかい?? ”でも高いよ” の捨て台詞にひやりとしながらも、心は踊りますよ。高いってことは、ね。。 おばちゃんのでかい車に乗り込み別会場へと。 更に郊外にある2軒目は小ぎれいにペイントされた古いビルディング。すみません、ここから写真ないです。 螺旋階段上り通された部屋にはもう明らかにさっきの会場にあった服たちとは面が違う異彩を放つ服が。これは。。 もう今まで見たことない生地やらディティールのラッシュに溜息もアドレナリンも止まらん。ここには、自分がヴィンテージをやる意味に答えてくれる気配がありました。 自分の心得がスコーンと外

#17.GIU GIU

GIU GIU   これは間違いなく、一生欲しい服だ。一生作って欲しい。 デザイナーのGiulianaちゃんのニックネームでもあるブランドGIU GIU。ジュウジュウ。 神がかって美しい。 の、シグニチャーピースであるリブニット"NONNA" の新作が入荷しました。今回はNONNA加えてニュースタイル2型もありますが、まずはまだお話していなかったNONNAについて書く。 服に限らず欧米のスタイルが怒涛の流入を見せる昨今、ファッションにおいても殊にレディスはインターナショナルな流行がドメスティックブランドにも消化されているのを感じます。 でもデザインは取り込めたとしても、日本人のSHAME(恥)な国民性を包括するのはなかなか難儀です。 GIUGIUのNONNAニットは、オーバーシルエットへと逃げがちなドメスティックスタイルにピリッとスパイスをふりかけてくれる。 ”Sayakaは絶対にXSかS”と、初めて会ったときGiulianaちゃんはおっしゃった。あのダイナミックボディなアメリカンにもSがスタンダードというから驚きだ。 でも実際、お店に来てくれたニューヨーカー(まあまあグラマラス)は、私がやってるM,Lではご不満、Sがいいと言って帰っていった。あなたMいいと思うよ〜という私の思いは届かず。※Mだってぜんぜんピッタピタです。 そう、欧米の女性としての美意識や価値観はやっぱり日本人とは少し違う。腕毛も脇毛もボーボーだし。ナチュラルでいいな。 まあそもそもこの身体のあれこれを隠す日本の女性のスタイルは社会と男が悪いと思うのですが、そんなことここで話しても不毛なので、私は前向きに、GIUGIUの話をします。 このリブニットは言ったとおりピッタピタです。子供服かと疑う。でも大人服。てことは、超伸びるのです。 コットンでこれだけ伸縮性を実現させ更には全く型崩れないGIUGIUのニットは、一度着るとハマります。私はハマりました。 もちろん着易さもハマった理由ですが、どちらかというと、このニットを着ると女性として気持ちがいいから。 身体のラインを気持ちよく表現できる。ヘルシーなのだ。セクシャルではない。 男がどう見るかは知らないが、女性が身体のラインを出すことをリスペクトしてほしい。じゃないと日本のファッションはハ

#16. オープンとおやすみとニューブランド

お知らせ   9月に入りました。お店は今週末のオープンで一旦またお休みです。 況や、休んでばかりです。休んではいられないのですが、こればかりは仕方ない。 次のオープンは10月7日(日)の予定です。がんばれたら6日から。たぶん7日。TBC. 当然ながら、18AWの入荷が駆け込まれるこの時期、クーリエのトラッキングチェックとにらめっこの日々です。 そしてうまくいけば今週末、2ブランドがジョインしそうだ。 ブリュッセルよりLEO、そしてロンドンよりA'N'D。 お店スタートの17SSにどちらもお花を添えてくれた親愛なるレーベルズです。 LEOはさらにエッジを効かせたコレクション、ファーストコンタクトの印象と、実際のアイテムが持つ知性とコンセプトのギャップを感じてほしい。 オススメはコートとスウェット。メタリックなフックが散りばめられたやつ。スウェットは絶妙なハイ加減が本当にうまいと思う。 このながーいニットキャップもかわいい。 そしてA'N'Dはご無沙汰です。今回はタイミングあった。個人的にも大好きなハンドプリントパッチのスウェットとてもクール。 かっこいいです。着たい。 どちらも今週末のオープンに間に合うか否かというところ。願います。 なんども言いますが、今週末が9月最後です。ぜひお立ち寄りくださいませ。 お待ちしてます。

#15. FEDERICO CINA

不安定   久々のイタリアン、FEDERICO CINA ところでイタリアの服ってなにか違います。 意図はないのですが我が店にはイタリアブランドが少ないです。意図はない。 でも違うお店でイタリアンデザイナーの服を見たときもやっぱり、あ、いいなと思う。 艶がある。色気?服には必要不可欠ですね。ザ・オリジンオブファッション。 そう、FEDERICO CINAの服もまた。 春夏では3着をご紹介しました。 彼を知ったのがAW18でして、前のコレクションのストックあるかと聞いたらないけど作ってやると言われたのでアーカイヴから欲しいのを作ってもらった。 彼の服は何せデカい。メンズだからね。でもこんなちょびっとオーダーなのにちゃんとレディスサイズにグレーディングしてくれてありがたい。 今回のAW18は、閉塞と開放の心の関係性を幼少期の感情にクロッシングした叙情的なコレクション。ナイーブな心の揺れ動きが、色、素材、プリントからじわりと滲み出ます。 パステルカラーでいてハッピーを感じない。決してくすんでるわけではないのだけど、何か陰な気配が漂っている。この感覚はうまく表現できないのだけど、きっとストレスとフリーダムのふたつの感情の狭間ではなかろうか。メタリックな光沢もどことなく金属のひんやりとした触感をイメージします。 不安定は個々の色のみならず構成にまで及び。 例えば5色の色を使ってコレクションを完成させなさい、という問いがあったとして、彼のアンサーは、赤、ペールグリーン、ペールパープル、ベージュ、ピンク。 ハーモニーない。喧嘩になる。でもそのアンコントロールな不調和が今とても心をくすぐりますね。 パターンは意図的に違和感を持たせている。子供が父親の巨大な服を、さも真剣な表情で着ているのを想像する。 ナイロンサテンにメッシュ、ネオなムードを醸し出す異素材使いも決してストレートではなくて、違和感のある形、色を更に助長させている。 このメッシュのジャケットなんかヒリヒリします。前回のヒュージパンツと同じ手法ですが、ひたすらに直線でたたかれた赤メッシュの列が強いです。 しかしよく見ると、パーツごとにメッシュを生地にたたいたあと組み立てているので、相当めんどくさい縫製仕様になっているのが明らか。ジャケット作るの自体手がかかる上に全パー