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Showing posts from September, 2020

#87.ISA BOULDER

  “HARDCORE HANDMADE” ソフトな織地でくるまれた卵型のタグにひとつひとつプリントされたスローガン。 これを見ただけでブランドの在り方は瞬時に伝わってくるものです。 こんなところにも確かに人の手が携わっている。 ISA BOULDER 20AW初めてのこのブランド。2019年にCecilia Basari とYuli Suriによって彼女たちの生まれ育ったインドネシア、バリでスタートしました。 もともとスイムウェアでスタートしたISA BOULDER、20AWではそこから生まれたインスピレーションや美学、経験をレギュラーウェアにアップデートしています。 ファブリックに選んだのはニット。 素材は違えど、スイムウェアと共通項は女性のフォルムへのアプローチだ。 くっきりと露わにされたボディラインはセクシーとは少し違う、身体にISA BOULDERのウェアが乗っかったとき、曲線から個性とか現代的なコンセプトが姿を現すような。 ニットという温かみのあるテクスチャーには女性の象徴ともいえるバストやヒップといったフォルムがグラフィカルにデジタルなラインで描かれている(編まれている)。 この時点で相反する要素が混ざり合ってることに改めて気づく。 極めてスタイリッシュだ。 実際には全く使われていないのだけど、自分にはどこかメタリックに映る。 更にいいなと思うのは色のとり方。基本的に中間色ですが全く捉え所がないというわけではなくどれもこれもしっかりとした主張があります。 色は全ピースに幅広いオプションがありますが、けっこうすぐに決まった。形と色の親和性。または違和感。 いっこ前のGABRIELA COLL GARMENTSのときも書いたが、やっぱり相性みたいなものがあるな。形−色−素材−そしてじぶん。 地元のファクトリーと職人との関係性も超絶良好だ。自分が生まれ育った地でモードができるって本当に幸せだろうなと思う。 タイトとルーズ、この辺のバランスがものすごく良いと思います。 確かに、アンダーウェアのオーバー転換、ボディフィットスタイルは流行なのは間違いない。 実際にものすごく多いしパクリばっかだ。 ISA BOULDERもその流れに沿ってる部分はあるのかもしれないけれど、でもしっかりとしたアイデンティテ

#86.GABRIELA COLL GARMENTS

  GABRIELA COLL GARMENTS-SERIE.NO.7- ブラウン、ブラック、イエローのカラーパレットをベースに、テクスチャーを絡めた3次元へと。集中力の結晶に圧倒される。 ブラウン:レザー、ウール ブラック:ベルベット イエロー:コットン、ナイロン カシミールさん今シーズンはこの「色」×「素材」のブロック分けしてみました。 まずブラウン、カウレザーシャツとパンツ。 薄く薄く丁寧に削がれたこのしなやかな革は、ガブさんの大のお気に入りだ。 グロッシーな艶は謂わゆるラグジュアリーなそれとは異なり、ヒリヒリとして強く、無機質さも混在した、GABRIELA COLL GARMENTSの為にあるかのよう。 どちらかというとコードバーンに近いのか。 ジャケットではなくシャツというところがニクいな。 レザーとのブラウンコンビネーションはウールニット。このギュンと目の詰まったヘビーウールは日本製です。 フードをかぶるとお顔がすっぽり埋もれるボディスーツ的な位置にこのニットを納めてその上にジャケットやコートを着るのだ。 かんぺき。 ブラックは、ベルベット一択です。 このシルクベルベットの漆黒さよ。 訳はちゃんとあって、ガブさん敢えて上下逆にとっておる。 毛足の向きを反転して逆撫でにすることで黒さが増すの。本来光の入り方で白が混ざるベルベットの特質を排除してベタ塗り真っ黒に。 相変わらずうまいしセンスいい。 このポロトップはアームホールがめちゃめちゃちっさい。 正直、とっても着づらいです。。でもこれでいいのです。この遠慮ないシャープさこそGCGたる所以だ。肩をほぐして頑張って着ましょう。だって本当にカッコ良いから。 ダークなブラウンブラックにハイライティブなイエローを。 ヘビーコットンのギャバジンシャツは、1点ずつの製品染め。レザーシャツ同様のフロントスナップは使う毎に前たてのアタリが期待できます。 発色はダントツでNo.1ですがどうしたってポップとは程遠い。 同じくイエローはパフコート。着たらわかるさ。ふふん。 ペールイエローに中綿パフなんて可愛いに決まってるんですが。可愛くない、クールです。 今回も前回に続きリモンタナイロンを使用。ソリッドでタイベックのようなペーパーナイロンと、シャー

#85. SITUATIONIST②

  SITUATIONISTのつづきです。 このJUMPSUITも外せません。 前回の20SSでもつなぎを出してましたが膝下ハーフ丈、今期は更なるミニボトムでこの流れにハーモニーを感じます。 オリーブ単色ではなくよく見るとごくごく僅かにブラック糸がミックスされた非常に奥行きのある色味です。角度によって黒が強くなる。 長い長いウエストダーツは胸ポケットを突き抜け一度消え、胸ぐせダーツへと変化する。知的だ。 このドラマの土台、胸ポケットは内側パッチで外はステッチラインのみ。 ひっくりかしてバックポケットはアウトパッチ。 この切り替えもにくいな。生地の特性を生かして黒の濃淡でカラーブロックに。意図的か。 たぶんフロントの突き抜けダーツに準じての切り替えだろう。 このブランドのギミック量と技術のアベレージが高いが故に整然と佇むテクニックたち、それが当たり前かのように。 いやいや当たり前じゃないよ、と。 ちゃんと見つけたよと。知ってるんだよ、と伝えたくなる。そしてありがとう。ディティールに。 このショートは下に思い切ってパンツを入れてもよいな。太いやつ。 冬こそホットパンツで決まった。 あと最後これもお願いします。 これがね、やりたかったのです。オーバーモヘア+ミニスカのパンクスタイル。 自分ではそのつもりですが。 パンクとかグランジとかは常に心にあって何かで体現できないかと企んでいます。 このスカートの生地。やば。 こんな織り見たことないぞ。あるのかな。わからん。 シルバー糸の発光、ランダムに入れられたプリーツ、あと生地に対するステッチの不協和音が、なんというかライブ感を煽ります。 モヘアニットが大好きです。 しかもこれほどの極細ヤーンの荒編みがモヘアの中でも一番好きだ。毛足長のモッサモサもいいけどね。 フロントの柄はちょっとよくわかりませんが良いです。 そしてこの懐かしき袖落ちパターン。アンバレリーアッシュを思い出す。 すっき。 他にもいくつかございます。 コートも最高です。また涼しくなった頃に。 あったら書きます。