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Showing posts from November, 2019

#63. SITUATIONIST

  SITUATIONISTセカンドデリバリーがやっと到着した。 しかしかし、待ちわびていたレザーがすべてキャンセルという悲しみ。 サプライヤーとの問題により今シーズンは彼らのキーパーツであるレザーが全滅だそう。。。。しょげる。 よって今回はこのコートをもってSITUATIONIST完納です。 SITUATIONIST コーカサスの地、ジョージアより今シーズンお初、ぱちぱちぱち。 クラッシックテーラリングを基盤に明確なモダンコンセプトを大胆に打ち込んでくるスタイルは、良い意味でスマートさが欠け漂う特有の野暮さが私は非常に好きだ。 たぶん、勝手にこの野暮さはお国柄だと解釈している。 ジョージアのデザイナーっつうのはなんだかみんな癖が 強くて歪んでいる。(これもいい意味) 抜けの良さは感じないがそのぶん手法は無限だと感じさせられる。要するにこなれてない。 東欧、中東そのへんの服全般に通じるこの感覚ですが。 野暮さを残したままソフィスティケートされたものはごく少数、力強く後に残る。 ジョージア と言えばVETEMENTS、たぶん比較される要素はあって、 でもSITUATIONIST はあくまでもテイラーの枠に准じて徹底してクラッシックです。 何がいいかって、コレクションの構成だ。 この流れの中にこのピースを差し込む、 強弱のとり方がセンスいい。 単純にデザインの強いものと弱いもののバランスとかの意味ではなく、 これはスタイリングとかセレクトとかそっち側の感性だと思う。 そしてこれは驚愕ですが、なんと彼らはファクトリーを一切持たず、すべてを自分たちのアトリエで製作している。 もうびっくり仰天です、だって素晴らしいクウォリティですよ。技術、知性、細やかさ、素材。紛れもなくクチュールですね。 大丈夫です、ネクストシーズンに今回ボツったレザージャケットがやってきますので、ご期待ご期待。

#62. A.W.A.K.E. MODE

  A.W.A.K.E. MODE 実は今シーズンの次、20SSは大変悲しいことにいったんお休みです。 大好きな大切なこのブランドを諦めました。正直、後悔をしています。 自分を責めます。 でも、過去の自分が下した決断は受け入れるほかありません。 ブランドネームにMODEがプラスされた意味。 これを考えている。ある程度結論は出ている。 何が正解で何が間違いかの答えはどこにも転がってないけれrど、 そもそもそんなのはないんですが、しかし自分が間違いなのかもしれないな、と感じることは多い。色々な場面で。 ファッションは金持ちのものではないと信じています。 でもファッションの才能はリッチな魂に宿る。これは間違いない。 才能というのは作ったりデザインしたりの意味ではなくて、神、? 誰かが自分はファッションの信者だと言っていた。宗教だと。確かにそうとも言える。 話は一切外れていなくて、A.W.A.K.E. MODE のことを話しています。 私は自分が着たい服=店に置く服。というのが理想で、A.W.A.K.E.を取り扱うということは今の自分でその理想に最も近付けた感覚です。 もちろんお店にあるのはすべて大好きなブランドですが、これは自分の過去というものがとても関係してくる。 簡単に言うと、憧れの存在だ。 ずっと遠かった憧れの人が今隣にいる感覚。 そして私はその人を手放してしまう、未来。なんてこった。 これはまだまだ、自分の理想には遠いという事だ。 A.W.A.K.E.がなくなることではなく、この感情自体が。 自分の魂が超絶リッチになることが、理想への近道になる。 現実は何も変わる必要がなくて、変わるべきは自分です。 自信と誇りを。 A.W.A.K.E. MODE19AW あります。

#61. I LOVE ANTON BELINSKIY

  このプリントを超えるものは後にも先にも出てこないと思っています。 出るとしたらANTONだけど。 ANTON BELINSKIYは前からずっと見ていてああやりたいけどな、色々考えすぎるところがある自分はこれまで手を出しませんでしたよ。 しかしこのコレクションを見た瞬間にめんどくさい感情や躊躇いなど消えました。 これはやらないという選択肢はないです。はい。 だってそうでしょうよ、この最高プリント ANTONはよくセルフポートレイトを服にしていて私はそれが本当に好きです。 そんなデザイナーはいませんよ、自分が歯磨いてる写真とか普通Tシャツにしますか。 はあ、Anton様。 プリントだけだろって思うでしょうが、いいえ、服としても素晴らしいのです。 Tシャツもシャツも、上質な生地と特にシャツの仕立て、縫製の美しさ。縫い代すべて袋縫い。 プリントさえなけれはテイラーのドレスシャツに遜色ございません。プリントさえなけれなば。 でもプリントがありますので、存在意義は計り知れません。 幼少期の思い出を現在の自身のクリエーションにシンクロさせるAnton様。 1987年、学校の発表会でのワンシーン、バニーボーイズによるダンシングは当時のナイーブな揺れ動く心が見て取れます。 ファンシーなお花に浮かぶAntonフレンズの表情は皆愛おしく物憂げで、いつかの原風景に思いを馳せ。 カレイドスコープ(万華鏡)の世界に迷い込んだフレンズ-ドリーミングと隠しきれない狂気に満ちた桃源郷。 これはもはやドラッグです。 合法に、きめましょう。

#.60 MASK

  美しき死に飾られたマスク- 写真家Joel Peter Witkinの異常性と耽美の究極の域にて、wan shan ling の夢想が服となった。 待ちわびた入荷。久しぶりのこの存在感に、店のバランスが一気に変わった。そういう力のある服だ。 未来にこの服を着る人の迎えを待つ、なんだかシンデレラを待つガラスの靴のようじゃあないか。 この仮面を被れば別の世界が現れる-アイズワイドシャットか。 夢みたいな話ばかりですが。 しかし、マスクというのは服飾においてもスピリチュアルでいて非常に本質的な存在ですからに、この漆黒を着ることは、服との関係性を再認識することにもなりそうです。 唯一無二。言葉通り。 シンデレラさん、お待ちしています。

#59. LINDER NYC

  だいぶあいてしまったので何から書けばいいのか。 LINDERにします。 いっこ前の19SSはちょっと違ったのでお休みしましたが、19AWは大好き、光と影が交錯したメランコリックで、とにかく美しいのだ。 ローテクでワークやフォークなムードをさらりと醸す裏側で、テクニックとコンセプトが爆発している。 自分が好きな服はこれです。 これはええ服だ。ririジップだしな。 そしてテンセル。(好き) テンセルの柔らかな風合いにこのシャーピーな“V”  これは袖を前でVにクロスしてスプレー染めです。 ああ好きなところだらけだ。このパターン。 肩の切替え線がとても中側に取られてる。セットインスリーブと言っていいのか。 でも肩山は正常位。決して肩幅が狭いわけではなく切り替えと肩山が別ポジションだということ。 愛おしきヨークの狭さよ。 こういう知的なバランスにスプレーでVを描くのって、よく考えてみるとなかなかやらないなと。ある意味安易でラフなアクションをこの完成形に乗せることは普通しない。できない。 でもこの吹きかけによってこの服はパーフェクトになったぞ。これぞデザイン、というかんじ。 もうひとつ、ふたつか。このバンツ。 これも大好きなんだ。 Blue×Greenはサテン、Pink×Burgundyはモールスキン。どちらもどちらで良いですが、サテン、これは素晴らしい。 BlueとGreenでサテンの生地を変えている、Blueはヘビーサテンでウエスト〜ヒップ周りを自立しながら模る。 切り替えのGreenはソフトサテン、これによりドレーピーで非常に美しいシルエットが生まれる。 色、パターン含めてデニムやカーゴなどワークの型を狙っているのは間違いなくて、それでいてこのエレガントな生地への変換。そしてそれがあざとさゼロだと思うのですがどうでしょうか。 デニムや軍モノと合わせたら粋ですね。 モールスキンは両色同生地です。履くとドスンと下までストレートに。これはこれでよいのです。だって色がもうこれは。あとモールスキンは最近見ないのでチョイスも新鮮です。 お尻がかわいいな。 はぁーこれも素晴らしいよねー。このセットアップ。 ジャケットは最初のシャツドレスと同じく袖クロスですが、こちらは染めではなくブリーチ。ブリーチ!