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Showing posts from July, 2021

#103. CINITAのKNIT

  進めていたプロジェクトが遂に形になりました。 CINITA-チニタ といいます。 これはとても自然な流れでスタートしました。そして改めて、よいものができたと思う。 このプロジェクトが生まれてからここに至るまでを文章にしてみると、よくある話になってしまった。 うーん、これを書いてもあまり意味がない。プロセスなんてたぶんどのプロジェクトもそんなに変わらないのか。細かい工程は別としても。 だって、“ない”ものを作るわけだからな。そう、絶対にないものができた、これは自信持って言いたい。 これを形にしてくれた彼女に、心からの敬意と感謝を。ありえないほどの夢が詰まった人だ。 CINITA最初のお品はハンドニットのスカーフです。ボディ、コード、ストッパー、そしておてて、すべてひとつの糸で手編みによってできています。 色は3色、コットンリネンのグレー、コットン100%のグリーンとホワイト。コットン100%の方が糸が太いため色も相まってスポーティなムードに仕上がった。 一方のグレーはよりアンティーク調に近くそれでいてまったくもって別物。 ブロックチェックレースは、アンティークレースとの差別化を意図してる。アンティークレース大好きだけど、そうではないニットのスカーフを今回目指しました。 コードは長めにして先っちょには公私混同ですが愛するこの手をぷら下げた。 足の小指がね、変なところについているのです、たぶんまったく使ってないと思う。なのでもうこれは4本にしました。 素晴らしい再現度。このむっちりとした掌にお飾りのようにくっついたひょろ長い指は、完全に彼のそれです。 正直なんだってよかった。とにかく何か得体の知れないものが良かった。だから結果4本なのかもしれない。 コードももちろん手編みです。このコードを引っ張ってあげるとギャザーが生まれてフワリとなる。これが本当に魅力的な表情です。 コットンの方は太糸故ににワイヤーのような弛みが生まれてこちらもまた良い。 この仕様がとても気に入っています。 首だけでなく腰や斜めに襷掛けしたり、頭に乗っけてもかわいい。 フリースタイルに欠かせないこの手編みストッパーもこっそり自慢したい。素晴らしいしか言えない。 Tシャツやスウェット、またはジャケット

#102. wan shan ling

  またクセモノを作ってきたぜ、wan shan ling. はてどう向き合うべきか。軽いのに重すぎる。 やっとCasimirさんに服を作ってくれた。長いこと待った。いろいろタイミングもあるしね。 これまでは渾身の一球ずつで勝負していましたが、今回は並びでお願いしました。私からのオーダーは「ベスト」 「3着」。 狭いキャンバスの上に、名前のない色を幾重にも重ねて白という色を作った、そういうイメージ。あ、それは光か。 一着ずつに、彼が見た非凡な景色をディティールに落とし込む。その作業はこの服自体の軽さに反比例するほどに重い。そうです、軽くて重いのです。 リネン、ウール、ナイロンと3着それぞれ異なる素材に色。バラバラに見えてしっかりと一点で繋がっています。 軽薄なリップストップナイロンを裏起毛メッシュが優しく裏で支えます。パフの上でパリパリと心地よい音を奏でるな。 更に。今回3着すべてに採用されているフラシ芯(表地に接着しない状態の芯、工程としては接着芯より手間が掛かるが接着しない分ふんわりとしや柔らかな風合いが保たれる、更に着用の中で接着面が剥がれる心配がない)も、wan shan lingの服に艶と高級感を宿すひとつの重要なメソッドです。 高い高い煙突からからは波動が空気を伝って歪む空(ミッドナイト)。 好きなのはこの星留めです。賛否あるかもしれないけれど。 自分はこの服のスピードを減速させる無数の点々は隠しきれない手仕事のプライドと捉えて大切に思おう。wan shan lingのアイデンティティだ。 超短丈の2着は、ストレートに今の気分を突いてくる。短いの着たいよねーやっぱり。 ロング含め、どちらも下に厚手をもってくる事を前提にアームやネックを大きくとられているので、来たる秋冬も楽しそうです。 吊るされた卵とボーン。 切り替えではなくてなんと言うかセットバックしたディティールはwanさんの服によく見ます。他ではあまり見ない。 卵はポケットだそうです。 ベースにはリネンを。アイコニックなポップさの中にしっかりと艶があります。この服はどんな人が着るんだろう。 最後は黒。こちらはもうテーラーの気品です。実際にテーラーに技法を用いているそう。 美しいな。心地よい流れのある服だ。 本来であればキュプラがくる裏地