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#3. Lana Siberie

Lana Siberie

 
ロンドンに住むLulia Filipovscaiaによるソロプロジェクト。
訪ねるたびにいる場所が違うので、モバイル感が人ごとと思えない。


ロシア出身の彼女は、ニッターであった母親の影響で、幼少期から糸、布、服のある環境で育った。
ブランドの”Lana"は、彼女の母の名前と、ラテン語で「羊毛」の意味から。

Casimir Pulaskiday.では、ヴィンテージリネンのイメージをピッキングしておりますが、その名の通り、彼女のスタートはニットです。

↑ね、すごいんです。
この子は一年前、ド夏にやってきてド夏に旅立ちました。

今はニットからファブリックへと、ヴィンテージの手織りリネンを用いて服を作っている。
”ロシアには貴重なヴィンテージリネンがたくさんあるの”と話すLulia.
麻は寒さや乾燥にも強く、綿が育たないような寒冷地でも栽培が可能と先日聞いてなるほどと納得。
ソビエト時代からインテリアとして使われてきた、繊細さと強度を持つリネンを山のように所持している彼女。
もちろんすべて手織り。ヘンプにも似た頑丈な生地も、触ってみるとなんともしなやかでソフトだ。
何度も何度も洗いをかけて、彼女のさじ加減で張りを残しつつ豊かな柔らかさのリネンへと仕立てる。

彼女のアトリエは、いつもどこもごっちゃごちゃ。笑 ヴィンテージアイテムのコレクターである彼女は、もうこれゴミですか、というものもあちらこちらにある。
   
そしていつも元気で楽しそう。
彼女は魔女が好きなのですが、私はあなたが魔女じゃないかと思います。いつも不思議なことが起こるから。

Lana Siberie の服は、ひとつとして同じものがなくて、これまでCasimir Pulaskiday.にやってきた子たちのああなんたる愛おしさ。全部見せたい、けどやめておく。

彼女の服の素敵さを挙げる。
1.洋服としてのパターン
2.笑えるほど素直なデザイン
3.着たときの多幸感
まだまだあるけどね。
とにかくパターンが美しいと思う。こういったネイティブで土着的な服やブランドは、パターンがあまり感じられないのが多い。流動的でジェンダレス。
でもLana Siberieは、身頃、袖、襟のパターンをしっかりととっていて体を意識したラインがちゃんと見える、着たときの重さがない。
それでいて、自然や大地からインスピレーションを受ける彼女の表現がストレートすぎる。そのまんま、とかもある。笑えるけど、それがちゃんと成り立ているんだ、すごいと思う。
そんなこんなで、袖と首を通した瞬間に完全に昇天する。スピリチュアルです。

と、心底愛している彼女の服を、恥ずかしながら私は一着も持っておりません なぜならすぐにいなくなってしまうから。
とっておけばいいじゃんと彼女に言われますが、どーーーしても見せたい。そしていなくなる。の繰り返し。
いま、お店には2着ありまして。。。悶々

彼女の過去と今、どちらも彼女でどちらも美しい。
彼女は未来へと向かいます。私はLuliaの残してくれた美しいピースたちを、Casimir Pulaskiday.で、少しずつ、少しずつお披露目していく役目です。
※Luliaは生きています!