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#12.wan shan ling

wan shan ling の服


 
デザイナーについては多くを語るつもりがないのですが、今回初めてのお披露目の場がCasimir Pulaskiday.であるということ。
すべてがハンドメイドの一点物。
デコラティブな要素をパターンとの折り合いを付けながら重ねていく、その手法に大胆さと臆病さがあって興味深いのです。

さて、現在入荷済みは2着です。もう1着も間もなく入荷予定。

まず、ウールガーゼのチェックのブラウスは、ウォッシュかけられキモチ縮絨した表情で、ベイグな色味との相性が良い。
このシャツにはデコラティブな要素こそないのですが、パターンナーならではの繊細な味付けが見て取れます。
リラックスな印象ですが、センターに垂れ下がる前たてがキモですね。

ボタンとボタンホールがご丁寧に密々とございます故に、付け方、外し方は無限です。その数19個。煮え切らない数ですが。
このボタン好きです。いいボタン。ダブルカフスっていうのも粋です。

見返しをたたく謎のステッチは、謎です。
衿と台衿の切り替えにあるブランクも、謎です。
ただどちらもディティールとしては面白い。なにか意図的なものを感じます。
着るとまたよいです。ただ着るときスマートには羽織れません。なんせ前たてがびろーんなってるからもたつく。
着方は上手に教えますね。
色味がセピアでいて彩度が高いので、イロモノと重ねると面白そうです。
個人的にはワシャワシャ着てワシャワシャ洗ったらいいんじゃないかと。いい感じにこなれ感がが出てシワも増え、ミドルエイジを迎えた辺りがこのシャツの花盛りと言えましょう。

そしてもう一点、ラップスカート。

目を引くはこのプリーツ。と裾に連なるビーズ。
もちろん手作業にて施されたこのディティールは、重量感をうまくコントロールして右側のみにパッチされ、さらに合わせのボタンはナットボタン、独特な含みが漂います。

ビーズワークは彼のシグニチャーになりうると思う。(もう1着がまた、スゴイ・・)ハンド刺繍ならではのトライバル感、この完璧に操作されたスカートに歪みを与えている。意図的か否かはわからん。
プリーツは前端と後ろ端のみがくっついていてサイドのプリーツは軽やかに動きます。
バックのベンツも深めなのでダッシュもできますよ。

このスカートは、デザイナーが美しいと感じるものを持ち合わせてパズルの様に配置してできたんだと思います。 グレードと配置。どこへも行きすぎずそこにいる感じ。強すぎず、弱すぎず。
そして、とてもとても綺麗な服だと思います。
どちらもひとつだけです。もちろん。

info@casimir-pulaskiday.com