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#18. 2着

ロンドン

 
寒くて困っています。服失敗した。現地調達にはファストファッションありがたい。TOP SHOPは良しとしています。アメアパがNo.1でしたがもうないから暫定1位はTOP SHOPです。

そんな感じで、
毎週木曜日、ロンドンのとあるマーケットで服を売っている20-30年代以前のヨーロピアンヴィンテージコレクターのおばちゃん。もちろん今回も行く気満々だったのですが、不覚にも木曜日が移動日で行けない事実。がびーん。
肩を落としメールしたところ、あらストックを見に来る?だって、もちろん行きますとも!ということで、行ってきました。
指定された住所へ行くと、ん、倉庫? でっかい倉庫の前にいました、おばちゃん。Good morning.
重厚なエレベーターに乗りたどり着いた。銀メタルの壁に囲まれた薄暗い廊下にザクっと整列したラックにギュンギュンに詰め込まれた20-30年代のヴィンテージクロージングス。

興奮。
好きに見てと椅子に座りスマホをいじるおばちゃん。その横でギュンギュンを押しのけながら服を弄る私。※おばちゃんはいい人です。
スマホ見ながらも私が引っ張り出す服に的確なインフォをくださるおばちゃんは理想の販売員だ。

素晴らしかった。でも選べなかった。
私はヴィンテージのプロではないし、自分の店はヴィンテージショップではない。自分がヴィンテージをやる意味、これは心得ているつもりです。その心得にどう角度をつけて見てもフィットせず。
”ごめん、ない” と、せっかく早朝から倉庫来ていい服を見せてくれたおばちゃんに大層失礼な言葉を放る。すると、”もう一箇所あるよ” と驚きの言葉が返ってきた。えーまだあるんかい??
”でも高いよ” の捨て台詞にひやりとしながらも、心は踊りますよ。高いってことは、ね。。

おばちゃんのでかい車に乗り込み別会場へと。

更に郊外にある2軒目は小ぎれいにペイントされた古いビルディング。すみません、ここから写真ないです。
螺旋階段上り通された部屋にはもう明らかにさっきの会場にあった服たちとは面が違う異彩を放つ服が。これは。。
もう今まで見たことない生地やらディティールのラッシュに溜息もアドレナリンも止まらん。ここには、自分がヴィンテージをやる意味に答えてくれる気配がありました。
自分の心得がスコーンと外れてしまいそうな情動を抑えて冷静に集中して見た。集中集中。

”私もう行かないと” 急に神の声が後ろから響いた。(見えない)
えーちょっと待ってー急すぎるわおばちゃん。せめてジャブが欲しかった。
あと5分を何度か繰り返し流石にこれ以上伸ばせずタイムアウト。
藪から棒なショートカットもあり、今回こちらで手に入れた服は、2着。少な。
でもたぶん、ショートカットなかったとしてもこの2着だったと思う。それくらい満足している。あれだけの量と価値の中で、この2着はすんと心に落ちた。心得にがちっとハマった2着。
みなさんの想像を裏切ってる自信がある。見たら呆気にとられるかも。でもこれが自分のセレクトだと思います。
持って帰りますね。
おばちゃんありがとう。また来るね。



余談。
私はこの日、2番目に大切なものを落とした。トカゲの次、GXと命の前。
早朝のファイトを終えてカフェで一服中に気付き、一瞬頭が真っ白になりつつこれまで来た道を引き返し探したが、ない。ない。ない。
おばちゃんにメールしても返って来ず自力でガレージに忍び込み(Sorry.)予定を返上して探したけどない〜。
夜おばちゃんからメール返ってきて2会場探してくれたみたいだけど、ない。
私は昔から本当に忘れ物、落し物が多い。病気かと思う。
またやってしまった。こうやって私はいつも時間を不毛に消費していく。Time is money.
でもほぼ必ずまた自分の元へ戻って来るんだ。大切なものほど。
今回もそれを願う。
泣きそうだけど。