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#24. Gabriele Skucas

Gabriele Skucas

 
今私の目の前にある彼女のニットは、とても静かだ。
でも何か途轍もない情動とエネルギーを放っている。

2017年のCSM卒業コレクションにて発表された彼女の服を実際に見たのは、前々回のNYにて。
PARSONSやCSMの学生の作品を集めたエキシビジョンがあって訪れた。
彼女のことは卒コレを見たときに知ってとても気になっていたのだけど・・・
そんでそのNYのエキシビションで、学生たちのデコラティブだったりコンテンポラリーだったりアヴァンギャルドな服の中にこの静かなユニフォームを見つけたとき、ダダーっと記憶が蘇って。
何よりも強くてセンセーショナルでした。

彼女にようやくコンタクトしたのが今年の秋。
ちょっと気軽に連絡できる気配じゃなかった、びびってたね。
そして私のオーバーコンサーンを彼女は瞬く間に消し去った。
Gabrieleは丁寧に丁寧に生きている。

CSMを卒業して今彼女はアメリカ、カリフォルニアにいる。そこで丁寧に、新たなムードでスタートしている彼女のnew works.
実は最初、ニットを作ってほしいとお願いしたとき、卒業コレクションはもう作れないと断られた。
でもまた熱苦しい想いを伝え、会話を重ねて、彼女はもう一回編んでみると言ってくれました。

もちろん単純にこのユニフォームに惚れぼれしている。カトリックスクールの女学生の制服、多感で不安定な情動を含めた静寂の服。
だけどどうしてもやりたかったのは、彼女のストーリーを描くことというか。
私は現在のコレクションも大好きです。
この包み隠さぬファンシーなニットピースは、前に書いた、単純にかわいいものをかわいいものとして身につけるという自分の夢のそれだと思う。

そしてこれを作った人が次にこれを作る、彼女にしかないこのストーリーはとても奥深く興味深い。
私は過去の作品を見ているから今の作品に意味や価値を感じてて、
それを来てくれる方にも感じてほしいなと。だからどうしても2つを並べたかったのです。

このファンシーでフレンドリーな裏側には、シリアスでフラジャイルな人格がある。
そう思うと、もはやこのチューリップちゃんもかわいくない。いやめちゃかわいいけど。そしてどうしようもなく着たくなる。

服については書きません。
お店で見てください。
こればっかり言いますが、でも絶対そうだから。

このコラボレーションを受けてくれたGabriele に心から感謝します。
見えないものを見せてくれる。
彼女の服を攻略できたら無敵な気がする。