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#30. AW17

Marta Jakubowski

  最新のファッションもよいですが、時を経て熟成してああ今年が飲み頃ね、っていうの、ファッションでもありますね。
去年は難解だった鬼才を今年の自分なら読み解ける、クローゼットの中でも多々起きるこの現象が自分はとても好きです。
だから、胸を張って紹介します。ブログ始める前のワンダフルな服たちに言葉を添えられなかった心残りと共に。

Marta Jakubowskiの2017AWのパフジャケット。

このシーズンは、Martaがビビットに変化する前の“過渡期”のような印象。女性観として陰と陽が共存したエネルギッシュなコレクションでした。

Marta,チャーミングだ。
中でもこのパフシリーズは目玉というか、とてもキャッチーで新しかった。

今見たって新しい。Monclerはダウンだけど、キルティングにおける斬新なアプローチを打ち出す気鋭デザイナーズのそれにも全くもって負けないと思う。
ランダムに横断するこのキルティングは、川の流れのようにゆるやかに、クロッシングしてそれぞれの下流にに至ります。

後ろはさらに激しさを増し、このエモーショナルな流れを尊重するかのようなパターン。私はこの後ろ身頃の裾のシェイプが大好きです。
袖にもさりげなくパターンがある。このテーパードな袖が不安定なジャケットに納まりを与えていると思う。

前合わせは川ごとにベルトがございますがまあお察しの通り、、、。
下3本は差し込まずに垂れ流しが良いです。どうせ外れるし。
パープルは17AWのマイブームです。引き続きですが。いい色そしていいナイロン。
裏地はさらにビビットなパープル。裏返してきても◎ ポップさ増しで。

それでもやっぱり女性的です。カジュアルだけどセクシーで、意味わからんけど信頼できる。
掴みどころがなさすぎて、どう着ていいのやらって感じでしょうかね。そのまま着たらいいと思います。どう着ても正解かわからない、それがいい。挑戦的で気まぐれ。振り回されるからこそ、いつまでも新鮮に着れるんじゃなかろうか。替わりはね、ない。

私は、Marta Jakubowskiの初期の作品にとても影響を受けている。間の取り方や抜き方、露出、ソフトとハードのバランスなど。
チャラヤンやアレキサンダーワンでの経験と、彼女自身の女性観が極上にミックスされた、単純でコンセプチュアルでセクシーで強い、ある意味完成形のような。

ここ数シーズン、Martaは新しいMarta Jakubowskiに向かってる。
自分は初期が好きだ。でも現在ももちろん当然初期の女性観やデザイン性がある。それを見つけるのもまた楽しい。そして結局のところ、信頼できるということで。
来シーズン19SS、久しぶりにMarta Jakubowskiをやります。そして、何やらごにょごにょ企んでおります。。これはまだないしょ。お楽しみに。

そうです、このジャケット。一年経って冷めないってことは間違いないでしょう。いやむしろ熱上がってる。
出来立てホヤホヤにはない親密さというか、当時の鮮度はそのままに。
自分自身もようやく準備オーケイ、さてGo withです。


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