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#42. -Gender Neutral-

NASHE


  今シーズン初めてやってきたブランド。NASHE
ロシア、モスクワを拠点の若手デュオデザイナーによる、ジェンダーニュートラルレーベル。
“人間とは”を問い、彼らの経験とリサーチを形にする。
センシティブで精神的なテーマを持つこのブランドは、ロシアというファッションにおいてある種トレンディなお国のメインストリームから外れてフレッシュな方向を示してくれる。


男性の美しさ、Sensuality(官能性)を、「足」に託したプリントワーク。

ヒューマンリサーチからこの19SSでは「Menism」男性の美学、感受性官能性への興味が見て取れます。
まずこのシャツ。

柔らかさと張りのあるコットンガーゼ。開襟カラーがどことなくアロハシャツのような。このセピアなムードにミスマッチなパターンです。
着るとこんな感じ。

このシャツ、実はアームホールが半分開いててそこから腕出しても着られる。

後ろにはフラップ。これはNasheの服によく見られるパターン。後ろ肘にもイイ位置に足プリント。

知的です。生地とプリントとパターンが全てコンセプトに忠実に成り立ってる。とてもお利口な服。
もういっこ、パンツ。

センター部分のみスクエアに合皮の切り替えになっている。合皮なので経年による色の変化はないけれど、革が入ることによってこのパンツにナイーブな気配が加わる。
普通に見えるがよく向き合うとこの位置にこの分量の切り替えは変だ。
肩紐は結ぶ仕様なので解いて前で巻いたりも可。紐を垂らしても首にホルターに風に巻きつけてもかわいかた。

そしてねそしてね、このパンツの一番好きなところがね、袋布。

なんてかわいいんだーこんなナウいブランドの服にこんなボヘミアンな生地がくっついてるなんて。しかもこのパイピングもこの生地。
意図的か否かはわからないし意図的ならどんな意図なのかもわからないが、とにかくこれは非常にハイセンスだしミステリアスだ。

NASHEをやってみて気づいたことがある。
私は以前にも申したように、ユニセックスが嫌いです。これは変わらないんだけど、じゃあ女性的なメンズは?好きだということ。逆も然り。
どちらがどちらを着てもいい、これは女性、これは男性と分ける必要はない。でもどちらがどちらを着ていても(どちらってのもない)そこに「性」があることが大切だし、そういうものが好きです。性別じゃない、性。
「ユニセックス」と「ジェンダレス、ジェンダーニュートラル」は違う。
NASHEは紛れもなく後者です。男性です。もちろん女性が着たっていい。メンズのニュートラルな感覚を女性が着ると言うこと。哲学的だけど突き詰めて着たい。
ジェンダレス、ジェンダーニュートラルと言う概念はファッションにはとても密接だ。デコラティブで派手なイメージから、知的でナイーブな方向へと変化しているこの分野へ関心はとても高い。
自分なりに開拓できたらと思っている。