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#46. VIKTOR&ROLF


  どういうことかと言いますと、
簡単に言うと、VIKTOR&ROLFは最高のメゾンだということ。
プレタポルテをクローズして3年、現在もオートクチュール一本でファッションに夢と希望を与え続けるこのビッグネームが、なぜ、ここに。
ですよね。自分自身も半信半疑なところがありますが、多分事実で。
アーカイブではございません。彼らはひっそりと(?)はじめていた。そしてそれをここでお披露目できる自分は、大袈裟ではなく、もっている。


チュールをメインとしたこちらのコレクションは、先シーズン18AWより彼らがスタートさせた新しいライン、VIKTOR&ROLF TULLE
V&Rの代表的なポップアイコンを“チュール”というブランドに親密な素材に枠づけて、こちら側へと再びやってきた。
ある意味でコマーシャルラインではあるものの、特段セールスやマーケットを広げる意図があるのか疑問ですが。
ミラノで意気消沈の頃、偶然にもV&Rのセールスに会ってパリのショールームに来ていいよって言われたから行ってみた。
しかしさすがにこんなビッグメゾンに手を付けるハートの強さはないし、でも興奮は上がる一方で、そしたら君の店おもしろいからやっていいよって、えーーー!?
決まった、この春。ついに私は夢を叶えるのだ。ホントに来るのか、お金払った後もなお半信半疑でしたが、来た。わーい。

ディフュージョンラインとは言えVIKTOR&ROLF、ちゃんとタグにも書いてあるもんね。ほら。

そしてやはりこの服たちから醸しだされるオーラは王者の品格だ。細部にまで気品とブランドたる誇りがある。
引っ張られるというか、さあさあこちらへいらっしゃいと、手招きされます。そしてはらはらと行ってしまう。そんな感じ。
08AWの"NO"や、17Coutureのビッグフェイスコスチュームなど、VIKTOR&ROLFのイメージソースにこの度のコレクションで再開できる。更にはオートクチュールのファブリックを使ったユニークピースのスカートも。

ボタンやリボンなど、パーツひとつ取ってもVIKTOR&ROLFの文字。
ミーハー心擽ぐる。ベタと言えばそれまでですが、だって着られるんて思ってなかったんだもの。そしてとってもかわいい!あーハッピーになるんだ。

ファッションをエンターテインメントとして表現し、オートクチュール(あとブライダル)に集中したものの今もなおそれを続けているブランドははていくつあるだろうか。
ショーの最後(時には途中)に出てくる2人はいつもコレクションの一部として在り、彼らをもって完結するエンターテインメントショー。
ドリーミングでアイロニックで、そしていつも先を行っていると思う。リアリティは絶対にある。
だからこそのこのコレクション。
単なる金儲けとは違う、それであれば私には売らない。世界は違ってもファッションを愛する心に境はないということ。
いろいろ考えずにとりあえず着たらいいと思う。
チュール、流行は去ってその時敬遠していた方よ、私もそうでしたが。今着てみると、やっぱり楽しいねって感じ。重ね方も今なら自分としてできる気がします。

改めて、こんなメゾンはないと思う。だってここにあることはどう考えてもおかしい。
でもあるのです。壮観。