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#58. Atte Gemzel -1-


  旅の最後、ストックホルム。
前回訪れたのはちょうど3年前、Casimir Pulaskiday.を始める前のバイイングでした。
前回同様、あー寒い。3度。東京は30度だって。
みんなダウン着てる、そりゃそうだ。前回の教訓も虚しく私はこの街で一人、うっすいジャケットとスウェットを重ね着してなんとも不恰好である。

今回ストックホルムに来た理由はいくつかあって、基本的には人に会いに来たのだけど。
新しいデザイナー2人、そしてAtte Gemzell.
新人さんは今回の旅を通して何人か会った。みんなとっても刺激的でした。売る気がない服を見るのはとてもウキウキする。
みんなそれぞれのステージにいて、自分の訪問に戸惑いつつも、前向きなリアクションをくれた。
この先、近い未来で、たぶんお披露目できると思う。うんうん、これがやりたいこと。

今日は、Atte Gemzellについて書く。
彼女については#2に書いたので端折りますが、今回は彼女が現在勤めるアートスクールにお邪魔してきた。
ストックホルム行くと言ったら、今回はちょっとあまり時間が取れないから、じゃあ学校においでよと言ってくれた。
Atteは忙しい。お母さんだから。
前回会ったのはパリ、2年前かな、変わらずかっこよくて優しいAtte.
そしてスーパークールおしゃれだ。
Atteはここでアートのクラスを担当している。この学校はキンダーガーデンからハイスクールまでが同じ敷地内にあって、胃わる公立学校ではなくて私立、でも学費は無料なんだって。さすが教育先進国。

今回お邪魔したのは15-16歳のクラス3回。30分ごとに別の授業へ移動、また別のクラスがやってくる。
みんなすごくかわいくて知的で大人だ。日本の学生とは雰囲気が違うな。

何やってるの?って聞くととてもしっかりと作品のビジョンを教えてくれる。すごいと思った。たぶんこれもちゃんと教育の中で身についていくんだと思う。
Atteも言ってたけど、作る、創ることを通して「伝える」ということこそ大切なんだと。
おもしろかったのは、みんな好きなところで作業をしてた。教室のテーブルだったり隣のミーティングルームの棚の上、廊下の陽のあたる窓の下(この教室はとてつもなく寒かった。みんな上着を着てる。)、
でもサボってる子は一人もいない。みんな自分のビジョンを描く為に黙々とクリエイティブしていた。
そしてなんと言っても使ってる素材がVOGUEだったりモードなファッションマガジンやアートマガジンで、そりゃこんなクールなキッズが育つのも納得だ。

たぶんAtteだからなのかなとも思う。
Atteは子供たちにとても信頼されていて、みんな"Atte Atte" ってアドバイスを求める。

それぞれの子のユニークな部分を尊重しながら、対等に、でもしっかりとアート、デザインの道筋を教えていた。自由であって紛れもなく教育だった。

30分が経つとAtteの指示に従ってテキパキと作品や残骸を片付けて次のクラスへと去っていく。
ここから彼らがどんな大人になっていくんだろう。想像するとウキウキと同時に我が国を省みてしまう。間違いなく、教育が国をつくるんだ。

お昼は学校のランチをみんなでいただいた。他の化学やなんちゃら化学やら、キンダーガーデンの先生ともお話できて、朝8時から昼の1時まで、私の体験授業はこれでおしまい。
午後はデザイナーとのミーティングに。

長くなってしまったので、Atteとのお話はPART2へ。
Atteありがとう。本当に来れてよかった。この体験入学を私は自分の国へ持って帰る。自分の店へ。