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#59. LINDER NYC


  だいぶあいてしまったので何から書けばいいのか。
LINDERにします。
いっこ前の19SSはちょっと違ったのでお休みしましたが、19AWは大好き、光と影が交錯したメランコリックで、とにかく美しいのだ。
ローテクでワークやフォークなムードをさらりと醸す裏側で、テクニックとコンセプトが爆発している。

自分が好きな服はこれです。

これはええ服だ。ririジップだしな。
そしてテンセル。(好き)
テンセルの柔らかな風合いにこのシャーピーな“V” 
これは袖を前でVにクロスしてスプレー染めです。
ああ好きなところだらけだ。このパターン。

肩の切替え線がとても中側に取られてる。セットインスリーブと言っていいのか。
でも肩山は正常位。決して肩幅が狭いわけではなく切り替えと肩山が別ポジションだということ。
愛おしきヨークの狭さよ。

こういう知的なバランスにスプレーでVを描くのって、よく考えてみるとなかなかやらないなと。ある意味安易でラフなアクションをこの完成形に乗せることは普通しない。できない。
でもこの吹きかけによってこの服はパーフェクトになったぞ。これぞデザイン、というかんじ。

もうひとつ、ふたつか。このバンツ。

これも大好きなんだ。
Blue×Greenはサテン、Pink×Burgundyはモールスキン。どちらもどちらで良いですが、サテン、これは素晴らしい。

BlueとGreenでサテンの生地を変えている、Blueはヘビーサテンでウエスト〜ヒップ周りを自立しながら模る。
切り替えのGreenはソフトサテン、これによりドレーピーで非常に美しいシルエットが生まれる。

色、パターン含めてデニムやカーゴなどワークの型を狙っているのは間違いなくて、それでいてこのエレガントな生地への変換。そしてそれがあざとさゼロだと思うのですがどうでしょうか。
デニムや軍モノと合わせたら粋ですね。
モールスキンは両色同生地です。履くとドスンと下までストレートに。これはこれでよいのです。だって色がもうこれは。あとモールスキンは最近見ないのでチョイスも新鮮です。

お尻がかわいいな。

はぁーこれも素晴らしいよねー。このセットアップ。

ジャケットは最初のシャツドレスと同じく袖クロスですが、こちらは染めではなくブリーチ。ブリーチ!
元はネイビーでその上からブリーチかけてマスタードブラウンとの配色を作り上げている。スカートはさらにブラウンベース→ベージュのとの切り替え、素晴らしい。
このカラーの“あたり”がエモーショナルです。


本当にどれをとっても緻密でクウォリティが高い服だと思う。
この前ニューヨークでLINDERのアトリエを訪れた際、私はこのチームの素晴らしさに感動しました。
クリエイティブディレクター、セールス、そして生産管理までが信頼関係とコミュニケーションの取れたとても気持ちのよいチームだった。
(特に生産管理の男の子が素晴らしかった!)
このチーム力でこのブランドのクウォリティは成り立っていると思う。


※写真はアトリエでまさにここにあるジャケットのブリーチングの風景