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#83. Mazarine

 
約束どおり書きます。20FWのこと。
Mazarineについて。
パリベース、新進系に属するものの、オートクチュール上がりのデザイナーHélèneの作風はスピード感とドレッシー性が混在した独特なフィニッシュを迎えます。
このブランド名は、現存するフランス最古の公共図書館『La bibliothèque Mazarine』からいただいたそう。
といっても直接この図書館と関係があるわけではないけれど。
毎シーズン本や神話など、ひとつのストーリーをコレクションテーマとしてインスピレーションを形にする。

20FWは “LE PETIT PRINCE”(星の王子さま)です。
ほお、慣れ親しんだ世界的ノーベルじゃないか。
よしよし、とかつて読んだストーリーを思い浮かべながらMazarine20FWコレクションに向き合ってみる。

なるほど、愛すべき星の住人たちや動植物が出てくるというわけではないらしい。
王子さまが愛するバラをアイコンピースとして、王子さまが着ているグリーンスーツを多方向から考察しコレクションの展開としています。
確かに、制服やユニフォームのマルチミックスといった印象。
このブランドのシグネチャーである金属バーツやボタンは、今シーズンのテーマに則し宇宙に輝く無数の星たちをイメージし、これまで以上に煌びやかにそして大量。
ギラついたデコレーションは好きなヘビーさとちょっとだけ違った、けどコレクションの強弱によるライトピースが個人的にとても気になりました。
点で取ることはデザイナーには少し申し訳ない気持ちもありますが、どうしてもこの点だけほしい、ということも大いにあります。
なのでごめんね、といって買わせてもらった。
でも自分にとって、“これぞ今を射抜いている”とグッときたピースをとったので許して。

一番好きなのがこのラガーシャツです。

ラガーシャツなんて最高のチョイスじゃないか。ティッシジバンシィが蘇る。
ビスコースベースで特有のドレーピーな弛みの中に凛と美しくとどまるドレッシーなシャツ地の襟と前立てとカフス。

きらりと輝く流星は宇宙の銀河系に飲み込まれやがて消える。
この星たちはただのお飾りじゃなくて堂々とボタンです。上4点は流れに沿ってカーブを描きつつファンクションとしても役割を果たします。

オーバーサイズです。袖もたっぷりカフスにためて、女性であればドレスとしてもいけるか。
鮮度は非常に高いかと。

こちらのドレスはラガーシャツのバーガンディと共地、ビスコース。

ビスコースクレープのドレープは重ったるく気品があってセクシーでたまらんな。
ロングジッパーは全面開閉可。

こちらも袖の無数のボダンが着脱可能です。

んー、でもどうなんでしょうか。マーメイドスリーブが付いてた方が俄然いいけどね。
それかまあこうやって使いますかね。


ニューシーズンということで気合が入り少々長くなりました。パンツも書くつもりでしたがあまり長いとアレなんで、お店で見てください。
でも大したこと書いてないな。写真が多いのか。
以上。