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#86.GABRIELA COLL GARMENTS

 
GABRIELA COLL GARMENTS-SERIE.NO.7-
ブラウン、ブラック、イエローのカラーパレットをベースに、テクスチャーを絡めた3次元へと。集中力の結晶に圧倒される。


ブラウン:レザー、ウール
ブラック:ベルベット
イエロー:コットン、ナイロン
カシミールさん今シーズンはこの「色」×「素材」のブロック分けしてみました。

まずブラウン、カウレザーシャツとパンツ。

薄く薄く丁寧に削がれたこのしなやかな革は、ガブさんの大のお気に入りだ。
グロッシーな艶は謂わゆるラグジュアリーなそれとは異なり、ヒリヒリとして強く、無機質さも混在した、GABRIELA COLL GARMENTSの為にあるかのよう。

どちらかというとコードバーンに近いのか。
ジャケットではなくシャツというところがニクいな。
レザーとのブラウンコンビネーションはウールニット。このギュンと目の詰まったヘビーウールは日本製です。

フードをかぶるとお顔がすっぽり埋もれるボディスーツ的な位置にこのニットを納めてその上にジャケットやコートを着るのだ。
かんぺき。

ブラックは、ベルベット一択です。

このシルクベルベットの漆黒さよ。
訳はちゃんとあって、ガブさん敢えて上下逆にとっておる。
毛足の向きを反転して逆撫でにすることで黒さが増すの。本来光の入り方で白が混ざるベルベットの特質を排除してベタ塗り真っ黒に。

相変わらずうまいしセンスいい。
このポロトップはアームホールがめちゃめちゃちっさい。

正直、とっても着づらいです。。でもこれでいいのです。この遠慮ないシャープさこそGCGたる所以だ。肩をほぐして頑張って着ましょう。だって本当にカッコ良いから。

ダークなブラウンブラックにハイライティブなイエローを。

ヘビーコットンのギャバジンシャツは、1点ずつの製品染め。レザーシャツ同様のフロントスナップは使う毎に前たてのアタリが期待できます。

発色はダントツでNo.1ですがどうしたってポップとは程遠い。
同じくイエローはパフコート。着たらわかるさ。ふふん。

ペールイエローに中綿パフなんて可愛いに決まってるんですが。可愛くない、クールです。

今回も前回に続きリモンタナイロンを使用。ソリッドでタイベックのようなペーパーナイロンと、シャープな襟先の仕末。
スリットのない無表情なバック。
それ以外に主張する要素はなし。

いいえ、なし、は、ある、のです。ガブさんの場合。
言葉にするのは野暮なほどな秀逸パターン。着た時のとんでもない美しさよ。
こんなにもシンプルな服はとんでもなく高度な技術と感覚と時間をもって成立していることを忘れずに着たい。

同じ色でも乗せる素材によってそれは全く別のものとなる。
色で広げるか、素材で広げるか。はたまた狭めるのか。どんな解釈にもきっと、◎が返ってきます。

シーズンを越えてどれにも通じていることは、GABRIELA COLL GARMENTSの服は、着れば誰でもある程度似合っちゃうということ。
でもそこで満足するか、その先を目指すかは、その人次第です。
そんな簡単な服ではない。わかりやすくもない。もっと、もっと、その先を。