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#87.ISA BOULDER

 
“HARDCORE HANDMADE”

ソフトな織地でくるまれた卵型のタグにひとつひとつプリントされたスローガン。
これを見ただけでブランドの在り方は瞬時に伝わってくるものです。
こんなところにも確かに人の手が携わっている。

ISA BOULDER

20AW初めてのこのブランド。2019年にCecilia Basari とYuli Suriによって彼女たちの生まれ育ったインドネシア、バリでスタートしました。
もともとスイムウェアでスタートしたISA BOULDER、20AWではそこから生まれたインスピレーションや美学、経験をレギュラーウェアにアップデートしています。

ファブリックに選んだのはニット。
素材は違えど、スイムウェアと共通項は女性のフォルムへのアプローチだ。

くっきりと露わにされたボディラインはセクシーとは少し違う、身体にISA BOULDERのウェアが乗っかったとき、曲線から個性とか現代的なコンセプトが姿を現すような。

ニットという温かみのあるテクスチャーには女性の象徴ともいえるバストやヒップといったフォルムがグラフィカルにデジタルなラインで描かれている(編まれている)。

この時点で相反する要素が混ざり合ってることに改めて気づく。
極めてスタイリッシュだ。
実際には全く使われていないのだけど、自分にはどこかメタリックに映る。
更にいいなと思うのは色のとり方。基本的に中間色ですが全く捉え所がないというわけではなくどれもこれもしっかりとした主張があります。

色は全ピースに幅広いオプションがありますが、けっこうすぐに決まった。形と色の親和性。または違和感。
いっこ前のGABRIELA COLL GARMENTSのときも書いたが、やっぱり相性みたいなものがあるな。形−色−素材−そしてじぶん。
地元のファクトリーと職人との関係性も超絶良好だ。自分が生まれ育った地でモードができるって本当に幸せだろうなと思う。

タイトとルーズ、この辺のバランスがものすごく良いと思います。
確かに、アンダーウェアのオーバー転換、ボディフィットスタイルは流行なのは間違いない。
実際にものすごく多いしパクリばっかだ。
ISA BOULDERもその流れに沿ってる部分はあるのかもしれないけれど、でもしっかりとしたアイデンティティがある。
このブランドにしか出せない旨味みたいなものがあって、それは上にこにょこにょと書いたものなのですが、
そういう旨味を持つものには未来があると思ってしまう。
何様だという物言いになってしまいましたが、いちファンとして、ISA BOULDERの未来をできれば近くで見ていたいなと心から思います。
私はCeciliaちゃんしかお話したことがないのですが、思いやりと責任感のあるとても素敵な女性です。
やっぱりまたこればっかり言うけど、愛があるのだ。彼女から生まれるものは美しいに決まっている。
ぜひ、見てほしい。ISA BOULDER20AWおすすめ。