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#103. CINITAのKNIT

 
進めていたプロジェクトが遂に形になりました。
CINITA-チニタ といいます。
これはとても自然な流れでスタートしました。そして改めて、よいものができたと思う。

このプロジェクトが生まれてからここに至るまでを文章にしてみると、よくある話になってしまった。
うーん、これを書いてもあまり意味がない。プロセスなんてたぶんどのプロジェクトもそんなに変わらないのか。細かい工程は別としても。
だって、“ない”ものを作るわけだからな。そう、絶対にないものができた、これは自信持って言いたい。
これを形にしてくれた彼女に、心からの敬意と感謝を。ありえないほどの夢が詰まった人だ。

CINITA最初のお品はハンドニットのスカーフです。ボディ、コード、ストッパー、そしておてて、すべてひとつの糸で手編みによってできています。

色は3色、コットンリネンのグレー、コットン100%のグリーンとホワイト。コットン100%の方が糸が太いため色も相まってスポーティなムードに仕上がった。
一方のグレーはよりアンティーク調に近くそれでいてまったくもって別物。

ブロックチェックレースは、アンティークレースとの差別化を意図してる。アンティークレース大好きだけど、そうではないニットのスカーフを今回目指しました。
コードは長めにして先っちょには公私混同ですが愛するこの手をぷら下げた。

足の小指がね、変なところについているのです、たぶんまったく使ってないと思う。なのでもうこれは4本にしました。
素晴らしい再現度。このむっちりとした掌にお飾りのようにくっついたひょろ長い指は、完全に彼のそれです。

正直なんだってよかった。とにかく何か得体の知れないものが良かった。だから結果4本なのかもしれない。
コードももちろん手編みです。このコードを引っ張ってあげるとギャザーが生まれてフワリとなる。これが本当に魅力的な表情です。

コットンの方は太糸故ににワイヤーのような弛みが生まれてこちらもまた良い。

この仕様がとても気に入っています。
首だけでなく腰や斜めに襷掛けしたり、頭に乗っけてもかわいい。

フリースタイルに欠かせないこの手編みストッパーもこっそり自慢したい。素晴らしいしか言えない。

Tシャツやスウェット、またはジャケットやコートにだって、すんと懐に入る愛嬌、そして気品。
とにかく美しく編んでいただきました。ここが自分にとっては絶対で、天才以外で説得力を出すには精度が不可欠だと思っている。
つきましては説得力があります。すべては編み手のイマジネーション、センス、表現力につきる。
同時進行で#2も少しずつ形になってきています。控えめに言ってもとんでもなく素晴らしいものができそう。
あるかもしれないけど自分には見つけられない、ほしいものを作る(作ってもらう)。夢を形に(してもらう)。
CINITA。彼女に捧ぐプロジェクト。ご存命ですが。
ネクストも楽しみ。