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#113. wan shan ling

  今年はwan shan lingの入荷が多かった。3回もあった。
書くのが遅いからもう今年も終わるのか。でも意外と書いたな。
そう、終わる前にwan shan lingのスウェットについて書かなければ。
今年は良いスウェットが見つけられなかったこともあり、結局またwanさんに相談しました。困ったら駆け込む。
まったく頼もしいな。

このコレクションは実は前々回の3着のベストの線上にある。共有の対象がテーマとなっています。
wanさんは恐らく、この対象者の描く「線」に惹かれたと見える。
今回のスウェットでは、その線による描写をwanさんの中でデフォルメされ削ぎ落とされ拡張し、新たに組み直されたオブジェクトとなりフロントに描かれています。
点と点が繋がって線になるのだ。

大変満足感があるその訳は、ディティールの手数は無論のこと、ベースの肉厚裏毛に加えてブラックは全面、なす紺は前見頃に裏地が充てられている。
ブラックに至っては裏地も裏毛、表地よりは少し薄手だがそれでもいわゆる裏地とは“支え方”が違う。キルヒアイスか。
シルエットも今回は、というかいつもこの人はシルエットにものすごく執着して服を作るのだけれど。
オーバーサイズではなくボディは細身のコンパクトに抑え、袖を立体的にボリュームを偏らせている。着るととてもしっくりと今の気分に収まったよ。

超ロングスカートとか、段々と重心を下に持ってきて着たい。この冬は短丈ボトムが気分だったからな、次はロング着たい。

このなす紺とってもいい色。こちらのオブジェはコーデュロイ、ブラックよりもカジュアルに、いや、カジュアルではなかった、なかなかトリッキーだ。
いつものあの気の遠くなる無数の星があるし、立ち位置がよくわからない、wan shan lingの服という感じだ。

今年はこれまでよりも多くのwan shan lingをお迎えできてとても有意義な年でした。
来年もカシミールさんに服を作ってくれるといいけど、様子を見つつまたお伺いをたてます。
生まれては消える、その現象をここでしっかりと見届けよう。