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#118.GABRIELA COLL GARMENTS


GABRIELA COLL GARMENTSについて。
Serie No.10-
きりがいいとスペシャル感ありますが特にそんな様子もない。
なめらかな表層の下で鳴らす不協和音、そうだそうだ、そうだった。いつも通り。
先シーズンは一回お休みしました。その前もアーカイブだったから、コレクションとしては2シーズンスキップしたのか。
これは敬意を持っての決断です。だからこそ今回は意味深い訳です。と言っても4型ですが。笑いたければ笑えばいいさ。
ビジネスってなんだろう。

ノイズは消し去って、この4型に集中だ。
私はこの4型に大変満足しています。だってこれが自分がやりたいGABRIELA COLL GARMENTS なのだから。

ヘビーキャンバスシャツはSerie No.7で生まれました。このシャツが私はとても好きです。
当時はイエロー(今シーズンのよりもビビットな)をいただいたけど、今回はブラック。絶対黒だと思っています。

一点ずつの製品染めで色乗りは不均一。色のあたりが強く非常に豊かな表情です。バリバリと音が聞こえてきそうだ。
タイトフィットなシルエットですが肩がわりとしっかりある。パット入りのような角張った肩のフォルムは生地とパターンで成り立っている。
着丈は長め。若干フレアがかかっていることでボトムの選択肢が広い。
裾だけ切りっぱなしでそれ以外の端処理はすべて縫い込まれています。
切りっぱなしの配分がものすごく計算されていると思っていて、こちらのシャツに対してベストは袖と襟に持ってきているところなど。

このベストはまた別のストーリー上にあるので、共生地でもシャツとは繋がっているようで繋がっていないのかもしれない。
面白いなと思うのはベストだけ打ち合わせがメンズなところです。ガブさんはベストはメンズの打ち合わせにすることが多い気がする。

意図的にやっていると思わせるしたぶんそうだろう。バックの切り替えはGジャンを匂わせるしな。

以前3ピースをブラウンデニムで作った時があったけど、ベストをメンズ合わせにするのはいいなと思う。
そいつをセオリー無視してきてしまおう。

そして最後はこの2名。本命。

ナイロン100%の極細糸で編まれたハイゲージニットのセットアップ。
シャリ感とうっすら光沢のあるライトな編み地に無愛想にくっつけられたコンシールが強烈に唆る。

この素っ気ないジップに対して肩の精巧なリンキングをご覧なさいよ。

この服を構成する要素のすべてが一つも欠けてはいけなし、足りないものはひとつもない、と思ってしまいます。

メンズだと謂わゆるアルチザン系のジャンルでは馴染みがある表情だろう。間違いなくガブさんはその辺を探っているはずだ。
それをレディス に持ち込んで(メンズもやってるけど)解析し、この人のもつ洗練された技法というか所作によって絶妙に垢抜けた、とても魅力的なバランスの服に自分には写ります。
4点すべてが、です。
私はGABRIELA COLL GARMENTSの土をやりたい。
豊潤な土壌があって、可憐で美しい花が咲くのだ。