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#125. NASHE


NASHE、3年ぶりだ。ということは6シーズンぶり。
こんなに前だったかと思う。
19SSはまだコロナ前かー。コロナも長いな。

NASHEはロシアのモスクワを拠点とするブランドです。ご存知の方もきっと多いかもしれません。
タイミングというやつで、なかなか自分の選ぶものとのバランスがうまく取れなくてこんなに間があきましたが、コレクションはいつも見ます。
NASHEのブランドコンセプトは大枠だと精神世界と現実世界の相互作用というイメージ。
内省的な視点から社会や現実を見たときに発生する感情がエネルギーになって服に向かっている。
故にものすごく叙情的でエモーショナルな表情だ。センシュアルでナイーブ。
色、シルエット、スタイルも。

好きだけど、やっぱりメンズだからパターンが気になってしまう。
男性でも女性でもどっちが着てももちろんいいのですが、特にジャケットやボトムは骨格が違う以上美しいシルエットというものがそれぞれにあって、それは服だとパターンが担うわけでそこがいつも難しい。
男性の体格で着たらすんなり入ってくるのですが、女性のボディラインだとなかなかそれが機能しないような気が自分はする。
だから、結果、こういう選択になる。
先述の点によりできないシーズンが続いていたのですが、今回はもうプリントが大好きでしたために隙間を掻い潜ってやらせていただいた。

今シーズン22SSのストーリーには、服そして人生に対して自由で誠実でありたいという願いが込められています。
彼らの言葉の中に、平和や希望といった温かみのあるワードが散りばめられている。
もちろん、今なお続く悲痛な出来事が起きる前に描かれたストーリーであるのだけど、だからこそロシアで生きる彼らが発信するこの感情を想うと更に胸がじりじりとなる。

どちらのプリントもとても素敵です。
アイテム毎にファブリックを変えており、共通して光を通すライトウェイト生地が浮遊感あるプリントを更に波に乗せる。

これは何柄というのか、フローティングボーン(漂う骨)とか。

長袖シャツはストレッチメッシュです。
襟、前立て、カフスは別地で締める。ボタンが素敵。
メンズなのでビタビタにボディを押し込んで着るスタイルです。
女性だと少しゆったりするかな。それでも細身です。

こちらのシャツのボディと同じメッシュのパンツは夏のレイヤードにも良さそうだ。ショートライナーあり。

シースルーでモード感が強いが着ると上品なフレアで嫌味がなくていいな。プリントもこちらのパンツだけサイズが縮小されていてこの調整もおセンスがいい。
こんな風にGabrieleさんのニットウェアと合わせてもスッと入ってくる。

開襟シャツはブラックがジョーゼット、ピンクがシフォンで、ブラックの方がやや厚地です。

着てみる。

私はボーン(ピンク)の開襟シャツが好きです。
ファンシーなんだが見方によっては和柄にも見えるし更に開襟半袖だもんでセカンドバッグなんか持っちゃってね、こうなっちゃう。

なんだかブランドのセンシュアル感が私が着ると薄れるというか皆無だが、でも幅があって余白もあって、たぶん着る人によって意味が違ってくる服ではないだろうか。
服はどれもそうか。
それにしてもこんな扱いづらい生地ばかりをよくここまで綺麗に縫うな。非常に美しい仕立てです。
久しぶりのNASHEとても良かった。夏に出す予定でしたが素敵で夏まで待てなかった。