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#134.Gabriela Coll Garments


Gabriela Coll GarmentsのSerie No.11が届いた。
届いたら書く、という習慣で書き始めたものの、私が書くこともないような気持ちが湧いてきた。
だからそれをあげるのはやめて、でもそれだと何も発信ができないことになるのも良くないので
今回は自分にとってのGabriela Coll Garmentsについて書こうかな、と思います。簡単に。

Gabriela Coll Garmentsとは、Casimir Pulaskiday.がスタートした17SSのシーズンからのお付き合いです。
2016年9月、自店として初のバイイングでパリを訪れた際、とあるショールームの片隅に2ラックと1テーブルのコンパクトな、そしてこれでもかというくらい白い塊があって、それがGabriela Coll GarmentsのSerie No.2、デザイナーGabrielaさんが本格的にセールスをスタートした最初のシーズンです。

当時はウェアと革製品のバランスが6:4ほどで、型数、ファブリック、カラー共に最小限のカプセルコレクションでした。
それでも非常に見応えがあった。
それから数年経ち今もなお、Gabriela Coll Garmentsから得る感覚や感動は自分にとって代え難く尊いものであります。

ガブさんはどこかのメゾン経験等はなく、スタートから自身の経験と感覚で服を作っている。
ガブさんのデザインは「加える」というよりも「省く」という視点から派生しているように私は感じます。
手数は最小限に、本来あるものの省略だったり簡素化だったり、それで十分説得力を持たせるバランスの取り方が上手なんだと思う。
ファッションをよくみているし、ファッション以外からの感覚、建築だったりアートや映像だったり、を貯蓄して(し続けて)それをガブさんは上手に引き出しからピックアップしてこの服にはこれ、この服にはこれ、という風に補完しているイメージ。
手数こそ少ないものの、情報量は決して少なくない。

毎シーズン体を通すと同じアイテムでもバランスが少しずつ違っている。
例えば今回のSerie No.11のシャツはこれまでのどのシーズンより肩幅が大きくとられていたり。同じ系譜のアイテムでシームレスだったのもに切り替えが入っていたり。
(切り替えはデザインにおいてとても重要だと思っていて、ミニマルな服にはそれがより大きなアクションとして作用する。)
そういう部分にポッと小さく感動する。今回もちゃんとある。
シーズンレスというブランドコンセプトの中にも、明確なシーズンを捉えてそれを自分なりに解釈して選ぶことが、Casimir Pulaskiday.としての提案となれば良いなと思う。

毎度のこと、自分のセレクションがGabriela Coll Garmentsを100%感じられるものかはわかりませんが、自分にとってのSerie No.11がここにあります。