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#138. Luna Del Pinal


先月の渡航で久しぶりにLuna Del Pinalに会ってきた。
と言っても会えたのはロンドンにいるGabrielaのみで、Corinaは現在グアテマラに住んでいるため残念ながら今回は会えず。
やはり画面を通さず実体として会える、見られるということは得られるものが量も質も全く違う。

ロンドン北部トッテナム(ものすごく北、初めて行ったエリア)の工場地帯にある古いビルの最上階にLunaさんのスタジオはある。
吹き抜けで自然光が全面から入ってくるだだっ広いフロアを2組のアーティストさん(植物の人とコスチュームデザイナー)とシェアしている。
(Gabriela かわいい、あったかい)
Gabrielaは人口照明が嫌いだそうで、朝から晩の本当に何も見えなくなるギリギリまで電気はつけないらしい。
もちろん空調器具もない。彼女も言ってたが夏やばいと思う。
冬は冬でとんでもない。

Luna Del Pinalはロンドンとグアテマラの2拠点なので2人は行ったり来たりしながら、そのほかのコミュニケーションは基本ビデオで行っている。
グアテマラでの職人さんたちのと時間に比重を置くべく、Corinaがあちらへ在住して、多少不便でもブランドにとってベストな現在のスタイルをとっています。

現地へ行くメリットの大きなひとつは、クリエーションのオリジンに触れられることだと思う。
ここでこの人の中の何が反応してこれが発生したのか、という節理のようなもの。
聞いて知るものより場で感じ取ることの方を言いたい。
国が違えばより得難いものです。
これがある事で例えば自分の中にないものを拾い上げられる確率が上がる。
何が自然で何が不自然か、その線引きが自分にはけっこう重要なのかもしれない。
そういうことを今回Lunaさんと会ってボヤッと考えていた。
と同時に、やはりグアテマラに行って見たいと強く思う。来年行けたら行きたい。

今回の訪問は23SSを見に行ったわけですが、タイムラインではまさに22AWですので現在CPDにもセレクションが並んでいます。
私はこの22AWがとても好きです。
ブランド初期のヘビーノマドスタイルがこのシーズンで久しぶりに体感できる。

手織りのワイルドシャギーなブランケット、ハンドエンブロイダリーが散りばめられたブラックベリー染めコットン、地上写真の手刺繍にガラスビーズワークと、過去のコレクションからの系譜を辿りながら新たなチャレンジングワークによるダイナミックで繊細なLuna Del Pinalのモードが爆発している。
22AWは実際に見て選ぶことができなかったけど、今回の訪問でオリジンをチャージできた。
恐らく拾えなかったものもあったと思うがそれも自分の実力として、それでもこのLuna Del Pinalの並びが誇らしい。